ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ19→→→パラグラフ133:怨霊の島:(死亡・14)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。


夜がその黒い外套を引き、しだいに大気が冷え込みをましていく。
さもありなん。ここは極北の地。ダークランドに近いガタンとエルの境目なのだから。
地理的にはソマーランドと大差ないのだが、針葉樹林や乾燥した空気が寒気を助長するのかもしれない。
徐々に眠りにひきこまれていく。
その寸前、ふと、とりとめない疑問が脳裏をよぎっていた。


何かが木々のへり近くを動いているのに気づきだす。
霧につつまれた暗い輪郭は、夢のなかの幻のように松の木々にぐるぐると渦巻いている。


なぜ、この島は「ゴースト島」という不気味な名前をつけられているのか。
およそマグナマンドらしからぬ名称は、単に旅人を驚かすためかと思っていた。深い由来まで考えたことはなかったのだ。
だが、固有名詞とは本来謂れをあらわすもの。
ならば。
この島のゴーストとは、一体何を表していたのか―― !?
その答えが、目の前にあった。



  念バリアを身につけていて、メントーラの階級に達していれば、93へ。
  念バリアを身につけていないか、メントーラに達していなければ、228へ。


教えの向上が、精神エネルギーで攻撃してくる非肉体的存在から心をガードする。
つまりは、眠りに入った俺は見えざる幽鬼から攻撃を受け、かろうじてこの教えに救われたのだ。


 精神を守る教えの力がおそるべき危険を告げる。君が目にしている渦巻く
輪郭は、何世紀も前にこの島で殺されたセナー・ドルイドの亡霊なのだ。


セナー・ドルイド
やはりそうだった。ロークたちがはるばるこの地まで来訪した理由もこれで頷ける。
ロアストーンの寺院とのつながりまでは不明だが、ここはセナー・ドルイドたちの地だったのだ。
さらに衝撃の事実が明かされる。



 亡霊たちは主タガジンの存在を察知して忘れられた墓から引き寄せられて
きたのだが、今では君の生命力を吸いつくしてデーモンロードの復讐を果た
そうとしている。


冗談ではない。またしてもロークの置き土産だった。
奴のせいでセナー・ドルイドの亡霊たちは目覚め……俺がタガジンを倒したことで、怨嗟の標的を俺に絞ったのだ。
なんというザ・理不尽。
とはいえ、ここではどうにか選択肢をチョイスしながらやりすごすほかなく、



  ソマースウォード をもっていれば、133へ。
  ソマースウォード をもっていなければ、256へ。


本文を眺め、顔が青ざめていくのを俺ははっきり自覚していた。
つい先日、俺自身がのたまわった発言だ。
鮮明に記憶に残っている。
マグナマンドの鉄則。その最悪のうちの一つ。
ソマースウォード の所持は、ボスクラスの敵を無条件にバーサクさせる発動効果を持つ――

そういうことなのか。
セナー・ドルイドとは、ダークロードが滅亡したあと狼をつけ狙う真なる敵。
だからこそ強制一択で戦闘シーン突入なのだろうか。
亡霊たちは宙を舞い、精神を破壊する金切り声を浴びせながらじわじわ接近してくる。
彼らは俺の強力な精神の防壁を感じとり、生命力を盗むことが簡単な仕事でないと本能的に悟ったようだ。
だが、それは同時に幽鬼たちの本気を引き出すマズい展開でもあった。



  セナー・ドルイドの亡霊たち  戦闘力点32  体力点40


 この敵に念撃は通用しない(念波動は通用する)。ソマースウォード の
威力により、敵が失う体力点は通常の二倍になるのを忘れずに。


通常ならばそう強い敵ではない。
だが今の俺は体力点5点きり、回復薬も戦闘薬も完全に品切れだ。
念波動さえ今の体力点では使えず、ここでは素の戦闘力点36、戦闘比+4のカテゴリで戦わねばならない――



通過パラグラフ:(54)→93→133(戦闘) 治癒術の効果:+1点   現在の体力点:5点
(つづく)