ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ54→→→パラグラフ37:地獄の魔蟲ラピーリボアー:(死亡・14)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



崖を食い破って出現した甲虫は、一見ゴミのような戦闘力でしかない。
だが、ここは不安定な断崖絶壁。
かろうじてツタにぶら下がった俺は片手が使えず、しかも武器とナップザックはもろとも対岸に投げたあと。
一応、上級武術+チュータリーの組み合わせで、無刀でも戦闘力は激減こそしない。
とはいえ素手のペナルティは戦闘力−2
不安定な状況下での戦いにより、本文でのペナルティ−3
さらに盾が使えず、戦闘力−2
むろん、ソマースウォードはここで使えず――
敵の体力は50点、かなりのマッチョ蟲だ。
それでいて戦闘比は+3。かなりの長期戦を強いられることになる。
いや、待て。
本文をよく読め。


武器として使えそうな特別な品物をもっていない場合、さらに戦闘力点を4点引き、


持っているだろうがよぉォォ!! ハルガーの置き土産って奴をよぉぉ!!
狼の速度で片手をナップザックに回し、牛追い鞭 のグリップを握り……って、おォォホゥ!?
しまったァァァ!!??


牛追い鞭 を持っていきたいなら特別な品物として記し、ナップザックに吊り下げる
(パラグラフ145)。


そのナップザック……さっき、対岸に投げちゃった……よね?
いやいや待て。
……そもそも本当に牛追い鞭 はナップザックに吊り下げるものなのか?
よく気づいた俺!
素早く原書のパラ145をチェックする。
案の定、そんな記述はどこにもない。
しばしリプレイ中断。
スリープモードにしておいて、翻訳者であるところの鬼牙さんを呼び出す。


朕「もしもし鬼牙よ鬼牙っちよ。なんで嘘記述してんのよ。ナップザックなんて記述ない――」
牙「ありますよ。原書のパラ185を見てください。『ナップザックに固定された牛追いムチ 』とあります」
朕「な、なんだっ(ry」
牙「まあその辺はできる限り原書に沿って運ぶとイイですよ」


畜生。
これだから原典至上主義者は。
知ったような顔してんなよコンチクショォォホーイ!
……内心で罵りつつ、素早くリプレイ復帰。
とりあえず、原書に記述がある以上、従うほかない。
ここでこそ使うべき牛追い鞭 ははるか万里の彼方、取りに行くのは不可能だ。
どうやら……
素手と書いて凶器と読むこの裸拳を振るう時が来たようだぜ?
念撃ではなく念波動を発動、これで戦闘比+7、クリティカル「0」による一撃死も視野に入れられる――
掌をめぐる血管が鋼の糸と化し、綯い合わされた骨肉が文字通りの刃となった。
マグナカイの奥義を発動させ、忌まわしい甲虫に挑みかかる。



甲殻の隙間から強引に貫き手をねじりこんで内部を抉るが(乱数表7)、
鋭いおおあごが喉元をかすめ手傷を負う(乱数表2)。
ダメージには目もくれず(乱数表3)ラピーリボアをひきつけ、
柔らかい下腹の部分を引き裂いて体液を撒き散らした(乱数表6)。
動きが弱った直後、砲弾の威力を持つ剛拳をラピーリボアの頭部にめりこませる―― (乱数表0)


ずるりと巣穴から落ちたラピーリボアが、甲殻の砕ける不快な音をたてて眼下に落ちていく。
全身を濡らす出血をカイ・マントの袖でぬぐい、持ちこたえてくれたツタに感謝しつつ崖を上りきった。
思わず舌打ち。一撃死が出るのが遅すぎたようだ。
まあ良い。出目の波は悪くないのだ。最後の一瓶になったレンダリムの万能薬 をためらわず飲み、体力点を6点回復。
これで残り体力は25点だ。
この程度の怪我、普段なら放置しておくところだが、これが序盤戦なのは目に見えている。
あれだけ冒頭パラグラフ1で脅かしておいて、実はこの霧の島に脅威が存在しない、などということはありえまい。
用心を怠るべきでないと俺のゴーストがささやいているのだ……ゴースト島だけに。


「……寒い」


ツッコミ不在の構図にぼやきつつ、周囲に散らばった荷物を集め、不気味な樹海の深部に踏み込んだ。



通過パラグラフ:(54(戦闘)→37 治癒術の効果:+1点   現在の体力点:25点
(つづく)