ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ28→→→パラグラフ309:セブ・ジャレルの最期:(死亡・14)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。


つい昨夜、バーキッシュ相手に使ってしまったゲームブック業、その宿業が襲い掛かる、
この瞬間、出目は7ではなく1に変じ、無防備な踏み込みが痛烈な反撃を招く。
5点もの被ダメージ……
だが、まだだ。ここで諦めるわけにはいかない――



3ターン目、与えた以上のダメージを食らって朦朧となるが(乱数表7→1)、
次のターン、完璧な一撃で数体を同時に切り崩す(乱数表9)。
動揺した最後のシクァーリへ全身をたたきつけ、首を跳ね飛ばした(乱数表7)――


瞬時に被ダメージ合計を計算し、ぞっと背筋を凍らせる。
まさしく間一髪。
なんという幸運か、5回戦に及んだバトルでの被ダメージ累計は10点。かろうじて残り1点で命を永らえたのだ。
あるいは完璧な計算というべきか。戦闘直前、ラウンスパーを飲んでいなければ、死んでいただろう。
ようやく周囲を見渡す余裕ができ、戦闘の帰趨を知るべくパラグラフ309へ飛ぶ。
ジャレルは無事だろうか……?


 最後の両生類を君が片づけると、ジャレルはオールをつかみ、全身の力をこめて
オールをこぎだす。しかし、ほんのわずかしか進まぬうちに物が砕ける大きな音が
響き、鋭利に尖らせた木の杭が舟の底をつらぬく。


「なんだと!?」
「やばいぞローン・ウルフ卿、ボートが破壊されるッッ!」


 厚板の裂けめから高々と水が噴水のように噴きあがり、ちっぽけな小舟は猛烈に揺さぶられ、
突然転覆して、あっというまもなく暗い川に放りこまれる。水かきのある手に足をひっかかれ
る(体力点を2点うしなう)が、乱暴に蹴りはがして自由になる。
 見えない襲撃者から自由になった君は南の岸めざして泳ぎだし、冷えきってふらふらになっ
た自分自身を泥だらけの岸辺に引きずり上げる。


水の中へ放り込まれ、水中で追撃を喰らいつつ、かろうじて泥だらけの岸辺に這い上がる。
2点のダメージを喰らいつつも……






なんというデジャブ。
俺は、このような馬鹿げた最期を知っているのではないか。
たしか、そう。あれは砂漠の帝国で……


 水かきのある手に足をひっかかれる( 体 力 点 を 2 点 う し な う )が、


このパラグラフに飛んだことで、自動的に治癒術が一点体力を回復させている。
それを見越して、このパラグラフはわざと2点になっているらしい。
あれだ。あー。えーと。
つまり、俺は。
やっぱり死んだんですかァァァー!(ここだけ猪木口調で)
・・・念のため、次のパラグラフものぞいてみる。


 がっちりしがみつく2匹のシクァーリから逃れようともがきながらジャレルが助けを求めて
悲鳴をあげる。
 生き物たちは狼の毛皮の外套をつかまえ、水面下にジャレルを引きこんだ。
 剣を手にジャレルが浮きあがったが、ふたたび引きずりこまれ、今度こそ二度と浮きあがる
ことはなかった。まだらに染まった赤い水の流れと気泡の痕跡だけが、セブ・ジャレルの墓を
示すすべてだ。


「ヒィ助けて!助けてくれローン・ウルフ卿!!」
「たすけ……おほォッ、いはァッ……」
幾度となく珍奇な悲鳴を上げながら、ヘルスワンプの 伝 説 的 勇 者 (レコードホルダー――、セブ・ジャレルがじわじわ溺死していく。
あまりに悲劇的な末期に、ただ滂沱するばかり。
いやすまん。
全くもってすまない、セブ・ジャレル。
助けてやりたいのは山々なんだが、俺、もう先に逝っちゃったんだ……



『ローンウルフ14人目 再起不能(リタイア):死因:セブ・ジャレルを道連れにヘルスワンプの餌食→To be continued 』
(つづく)