ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

ヘルスワンプ最悪の脅威

【パラグラフ209→→→パラグラフ28:歌う水魔(ディープ・ワンズ:(死亡・13)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



世にも奇怪な生物が水面から浮き上がってきた。
1ダースもの水かきのある手が、凄まじい乱打音をたててボートの片側の縁に叩きつけられる。
その後から、半球形の頭部が6つ、ぬらりと汚水をしたたらせて現れたのだ。
魚と蛙の中間のような、それでいて類人的な顔からは、いかなる感情も読み取れない。
斑紋のある喉嚢が痙攣し、瞼のない瞳孔が俺とジャレルを凝視していた。
「SYUUUUUSHINAAAKUAAAAAAAAAAAAAAA!!!」
冥府の住人のごとき絶叫と共に、怪物たちは一斉に頬まで口蓋を割り裂き、鮫のような歯列をずらりと光らせた。


「シクァーリだ!!」


恐慌に陥ったセブ・ジャレルの叫びがガンガンと耳朶を打つ。
「こいつらは群れで狩りをするんだ。忌まわしい死に方をしたくなければ――
「全力で戦え、だろーが!」
言わずもがな――
バシュナのナイフ に怨嗟の炎を宿らせ、大きく振りかぶって数匹を牽制する。


  シクァーリ  戦闘力点29  体力点36

 上級狩猟術を身につけていなければ、この突然の攻撃により最初の1回戦のあいだ
戦闘力点を3点減らさなければならない。

  4回戦以内に戦いに勝ったら、169へ。
  5回戦以上かかって戦いに勝ったら、309へ


シビアな条件付戦闘も、覚悟を決めた俺を怯ませるには足らない。
4ターンで済ませろというならば、暗黒の力を借りてでも、成就して見せよう!
素の戦闘比−3。念撃を加えてなお−1のリスク
ならば、ここは微塵のためらいも見せずアレサーの実 を食らって戦闘力を底上げする時。
「われらの希望……」
「希望を守るためには、希望を喰らわねばならない……」
「喰らえ、喰らうのだ、最後の希望を……」
連祷の様に反芻しつつ、オレンジの実に齧りつく。
奴らが怪物だというのなら―― このアドレナリンジャンキーは怪物を超える戦鬼となってみせよう。
今や戦闘比は+1まで急上昇。
狼の体力点11点、シクァーリの体力点36点。
この程度の体力差、覆さずしてカイ・マスターは名乗れないッ!!!



鉤爪をかいくぐって9点のダメージと上々の先制攻撃を加え(乱数表6)、
2ターン目もやや浅手だが、敵の一体を切り裂き蹴落とす(乱数表5)。
被ダメージは累計4点、まだまだ気合十分だ。
大きく踏み込んで押し切るべくナイフを振るい―― (乱数表7)


――秘 奥 義 ・ サ イ コ ロ 交 換 : 発 動 ――


―― この土壇場で、最悪の業を発動させた。


通過パラグラフ:(209)→28(戦闘) 治癒術の効果:0点   現在の体力点:7点
(つづく)