ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

魚怪が沼地から姿を現す

【パラグラフ76→→→パラグラフ101:バーキッシュ:(死亡・13)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



狼の速度で肩から弓をつがえ、至近距離でリリースする。
猛烈なうなりをあげ、膨張しきった怪物の喉を矢軸が貫通する。
湿っぽい断末魔の喘ぎとともに、激しい水飛沫をあげて敵は沼に落下した。
「! 何事だ!?」
―― 死にたくなければ起きろ、ジャレル」
いつぞやの台詞をそっくり返し、寝ぼけたレジスタンスのリーダーを蹴り起こす。
状況を説明するまもなく、びっしり生えた針めいた細い牙と鉤爪を持つ魚怪へ立ち向かう。



  バーキッシュ  戦闘力点21  体力点25

 これらの沼にすむ生き物に念撃は通用しない(念波動は通用する)


念撃が使えない厄介な相手だ。
つまり素の戦闘比+5で押し切るか、一気に戦闘比+9まで高めてワンターンキルを狙うかの2択。
体力点の残りを考えれば、ここは素で押し切れるはず―― ッ!



思いがけぬ反撃を食らって斬りこみきれず(乱数表1)、
こちらの攻撃は見切られ浅手を負わされる(乱数表2)。
そのまま一気に畳みこまれ(乱数表1)、
最悪のファンブル連打は取り返しのつかないダメージを狼に負わせる――




「ってちょっと待てェェェ!!」
叫んでリプレイを中断させ、奥の手を繰り出す。


「秘 奥 義 ・ サ イ コ ロ 交 換!!」


四ターン中三回まで1が連続しただと? 冗談じゃない。これ以上被弾して溜まるか――
「4回戦目の乱数1を、次に出す7以上と交換」するッッ!
咆哮とともに脚が沈み込むような軟泥を蹴り、跳び越しざまにバーキッシュの眼窩にナイフをこじ入れるッ!
これで、少なくとも4回戦目の被ダメージは0となり、バーキッシュはオーバーキルだ。
膝に手をあてて血みどろの体を支え、小島のへりに引っかかって痙攣を続ける魚怪のグロテスクな死体をみやる。
……無数の、闇に潜む捕食者と共に。
気づけば、死の気配がヘルスワンプ全体を覆いつくしていた。
何対もの眼が、月光に冷たく反射し、俺たちの今の戦闘を、そして力量を推し量っているのを感じ取る。
不意に、浮き滓だらけの不透明な水面が激烈に泡だった。
後ずさった刹那、姿の見えない捕食者の手で死体が水面下に引きずり込まれる。
骨を噛み砕く猛烈な咀嚼音ははるか深みから何時間も響き、俺もジャレルも一睡もできずに朝を迎えた。
寝不足により、さらに体力点を2点失う



白々と、3日目の朝が明けようとしていた。



通過パラグラフ:(76(戦闘)→34→101→  治癒術の効果:+2点   現在の体力点:7点
(つづく)