ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

夜の水辺に何者かが忍び寄ってくる

【パラグラフ144→→→パラグラフ76:嗤う水妖:(死亡・13)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



「……島だ。今夜はあそこにつけるぞ」
「河岸じゃ駄目なのか」
「水底から密生した木の根が邪魔だし、安全を確保できる保証がない」
小島は、ほんの外皮程度の薄い泥によって固められた申し訳程度の泥土だった。
引っ張りあげた船をひっくり返し、霧雨を避ける避難所を作る。
先ほどの乱数表は「2」。この数字がいかな意味をもたらすか、この時点では知りようもない。
「先に寝てくれ。俺が見張りをする」
ジャレルがゴロリと巨体を転がすのを見届け、小雨に打たれる川面に目を戻した。
雲間からの月明かりに皓々と照らされた沼沢地は、幻想的な不穏さにまみれている。
これからの探索の旅に思いをめぐらす。
ヘルスワンプを抜け、その後、ナーグに悟られず、ひそかにトーガールへ忍び寄り、目的を遂げねばならない。
たとえば今、小島に爪を突き立てた、この水棲生物のように――


水辺を見下ろしていた君は、偶然、鱗のある前肢が水面を突き破ってぬかるみに
爪を沈めるのを目撃する。第2の肢がそこに加わり、そして、両肢の間から魚めいた、
身の毛もよだつような頭部が上がってきた。
 生き物がこっそりとぬかるみから出てくると、月光がその細い針状の牙を輝かせる。


やはり奴等はやってきた。
新鮮な肉の匂いを嗅ぎつけ、夜行性のヘルスワンプの怪物が襲撃してきたのだ。
デュアドンの銀の弓に手を伸ばす。間に合うか……ッッ!?



通過パラグラフ:(144)→59→76(戦闘) 治癒術の効果:+1点   現在の体力点:18点
(つづく)