ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ67→→→パラグラフ326:ドラゴンスレイヤー:(死亡・13)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



迫りくる太古の落とし子を前にして、決断を下す。
これが狼の選択だ……
竜の咽喉の奥がのぞけるほどの至近距離まで引きつけ、俺は行動に移った。


 ポケットから 火 種 を掴み取り、渾身の力をこめてぱっくり開いた顎部に放りこむ。
 サーベルのように牙の生え揃った口蓋のなかで 火 種 は炸裂し、迸った一面の炎が
口を焼け焦がしたため、生き物は苦しみのあまり後足で立ちあがった。


成功か、失敗か――
その一撃で倒れることを願い、固唾を呑んでパラグラフを読み進める。


 吐き気を催すような大きな音をたてて生き物は鱗に覆われた頭を天井に叩きつけ、
脳震盪を起こして議場の床に倒れた。


「………ッしゃぁぁぁああッッ!!!」
ギリギリの崖っ淵での勝利に、腹の底から雄叫びをあげる。
読み合いに勝ち、狼は龍を倒したのだ。


だが生死を確認するような真似はしない。
最初からこいつを殺すのが目的じゃあないしな。
当分気絶してくれていれば御の字。今のうちにこの議場を脱出するのだ。


素早く扉の元まで駆け戻り、もてる技術とエネルギーのすべてを複雑な錠前に注ぎ込む。
全身全霊をかけて錠前の機構を探り、内部に干渉し、入力値をフラットに戻して正しい数値を探りだす。
気の遠くなるような集中が、不可能を可能にした。
激しい精神の消耗により体力点2点を失う ものの、粘り強い努力によってロックは正常化し、数値が分かったのだ。
正しい数値を入力し、巨人の扉から後ずさって開門を待つ。
だが、予想に反し、何も起きなかった。
ロックの外れる音はしたにもかかわらず、依然として扉は開かないのだ。
そのとき、新たな気配が背後に現れた。


錠の仕組みが外れ、柔らかいウィーンという音をたてる。しかし、扉は開かない。
”この鍵が必要ですか?”
その言葉は、頭の中へ直接響いてきた。


新たな敵か――
バシュナのナイフ を胸の前に構えて振り向く。
どうやら、首魁の御出座しのようだった。
滑るような足取りで、爬虫類人たちの頭目と思しき影がアーチの一つから議場に進みでる。
声からすると「彼女」が手にするのは、コーリニウムの杖……
以前『るつぼ』を開封したときにトルトゥーダ大統領が持っていた杖に良く似ている。
やはり爬虫類人たちはここザーリクスに隠れ住む太古からの種族の末裔なのだ。


地龍ツァドレイゴンに続く脅威が眼前に存在している―― うなじが総毛立つのを感じる。
爬虫類人の女が、俺の念バリアを乗り越え、精神力で接触を試みてきたからではない。
今やすべてのアーチの闇で無数の瞳が瞬き、彼女が一人でないことを警告していた。


通過パラグラフ:(67)→16→326  治癒術の効果:+2点   現在の体力点:18点
(つづく)