ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ316→→→パラグラフ248:囚人のジレンマ:(死亡・13)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・



因果の逆流が俺を襲い、抜群の踏み込みを見せたとどめの一撃が、浅く不十分なものに変じていく。
「0」はあの時出した「7」に書き換えられ……
敵の喉仏を頚椎までめりこませた代償に、首筋に浅手を負わされた。
追うべきではなかった余分の追加ダメージを2点を喰らわされ、思わずがくりと膝をつく。
流石に息があがる。
疲労からくる発汗、更にドス黒い血に塗れ、俺は暫し動けずにいた。
残り体力は、またも僅か 2点 きり。
日に二度も生死の境を彷徨う羽目になるとは。
狂戦士もラクじゃあねーぜ……
クソったれが……
せめてもの救いは、業(カルマ)発動時の乱数がそれなりの出目だったこと。
素手での勝利を手放しで喜べる状況ではなかった。
何よりここはまだ監視塔内なのだ。更にどれだけの衛兵がいるかなど、想像もしたくない。
「大丈夫かロルフ?」
「寄るなソウ。おまえの一筆書き菌が感染る」
あとバカも。
自分が役立たずだとそれなりに自覚しているのだろう。
ソウは泣きそうな顔のまま、臆病な振る舞いについてくどくど弁解する。
「俺は戦士じゃあないンだよ」
「弁解する暇があるならそっちの死体をかッ剥げ。使えそうなブツを残らず奪うんだよ。泥棒だろうがお前は」
「あ、ああ……けどよ、死体は駄目だ……勇気がなくてさ」
死体を剥ごうとして血塗れの死に顔をまともにのぞき、ソウはあやうく吐きそうになった。
どうしようもない奴だ。ほったらかして作業を進める。
幸いに、収穫は上々だった。
ずしりと銀貨のつまった財布に金の指輪、兵士らの剣2本 ナイフ 、そして鉄の鍵 だ。
この探索でも、ようやく初のルーン(金貨)ゲットの機会にめぐまれたようだ。
半分けということでいらない鉄の鍵 をソウに渡し、正当な報酬として財布をしまう……

 
君は役に立ちそうな持ち物4つを見つけだす。 


・剣2本 
・短剣 
・鉄の鍵 
 


ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・

 
 指輪と財布はソウに持たせ、剣のうち1本を手渡すが、ソウは受け取るのを嫌がった。 
 


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 。 。 。 。 。 。


「なぁぁんだってェェ!!!」
またしても本文トラップ超絶発動。この身にもはや選択の余地なし。
守銭奴の意思を裏切って狼の体は動き、ホイホイと気前よくソウに指輪と財布を渡してしまう。
オィィィ!!ちょっと待てェェェ!!



本文中に太字で入手可能アイテムと明記されていない以上、財布も指輪も絵に描いたモチにすぎず……
パラグラフの宣託にしたがって自動的にソウにくれてやるしかないのだった。
「ぎ…ギギ…ギギギギギ……」
「大丈夫かロルフ?」
血の涙を流す俺を親切に気遣ってくれる盗賊ソウ。
じゃあかァッしい!!
嬉しそうに財布を握り締めて寄ってくるんじゃあねーぜッ!!
叫びだしたいのをこらえ、衛兵室から滑り出すと、監視塔の一階目指しスニークミッションを開始した。
痩せても枯れても盗賊だけあり、ソウの身ごなしと勘は幾度となく衛兵の巡回をかいくぐった。
二度ばかり危険に曝されるが、どうにか切り抜け、階段を下りていく。
銃眼のように開いた窓から輝く月明かりを見やり、幾つもの部屋と廊下を抜けていく。
やがて、俺とソウは1階へ降りたった。
松明に照らされた廊下の突き当たり……見るからに頑丈そうな一対の鉄扉があり、衛兵が一人見張りに立っている。
厄介な敵だった。
長い廊下を走って襲いかかれば、衛兵に俺の存在を気取られてしまう。
かといって、先程のように敵の攻撃を誘うには距離がありすぎる。増援を呼ばれたら終わりだ。
「あの分厚い扉の先が金庫室だ」
物陰に隠れたまま廊下を覗き、ソウが囁いた。


「あの中に没収されたあンたの装備もあるはずだぜ」



通過パラグラフ:(316)→259→248 治癒術の効果:+2点   現在の体力点:4点

(つづく)