ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ109→→→パラグラフ134:まるでそびえたつク(ry:(死亡・13)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



眼だけで横を向き、バネドンの反応を窺う。
『るつぼ』は南地区でいいんだよなァ?



怯えた仔ウサギのように、バネドンはプルプルと首を震わせていた。
……ダウトらしい。
弩弓を握る手が一斉に引き絞られるのを感じる。
クソ。
一巻の終わりか……

 
「これは不思議なこともあるものですなァ」 
 指揮官がせせら笑う。 
「この間まで西地区にあった『るつぼ』の出入り口が勝手に動き出してしまったようです 
な。どうしてそんなことになったのか、たっぷり話していただきましょうか」 
 指揮官は手を振り、胸壁の上で待つ部下に合図した。 
 殺人的な弩弓が銃眼からこちらを狙う中、逃亡を試みるのは自殺に等しい――しぶしぶ、 
君たちは両手をあげて降伏する。 


『西地区』かよ!
言われてみれば、そう聞かされた記憶もないではないよーな……
悔いたところで時既に遅し。
見る間に兵隊どもが押し寄せ、蟻の這いでる隙間もなく中庭を埋め尽くす。
為す術もなく武装解除されるのだ。

 
君は、武器、特別な品物、ナップザックに入れる物のすべてを彼らに没収され、守衛官に引き 
渡され、南門監視塔の高みにある独房へ連行された。 
 没収されたアイテムすべてに「×」をつけ、再び取り戻すまで使うことができなくなっ 
たことを忘れないように。 
 バネドンは市を囲む城壁の別の区画へと連れて行かれ、そこで詰所小屋指揮官による取調べ 
を受けることになる。 
 


「って、ちょっと待てェ!返しやがれェェ!」
「貴様何をするだァッー!」
「取り押さえろ!」
「確保しろォォォ……!」
咄嗟に狼の速度で包囲を擦り抜け、奪われたナップザックを掴む。
装備をすべて没収される。それはすなわち、最後のラウンスパーを飲む機会を失ってしまうということなのだ。
独房の中でガッツリ体力点が回復するような、そんな親切展開など期待できない。
ならば!
今!
ここで、ハッパをキメるのだ!


モッキュンモッキュン


なけなしの回復薬の滴が甘露のごとく喉を流れていった。
取り戻したこの4点の体力点 ―― 僅かなこの数点が生死を分かつことを、狼は過去、身をもって体験してきている。
この行為……絶対に無駄ではないと確信できる。



【アクション・チャート 恐怖のるつぼ】 14人目(パラグラフ312暫定)

能 力 値   .


・戦闘力点23(19点+2+2)  ・体力点33(26点+4+3)←現在は12点

・金貨24枚

マグナカイの教え(階級:プリンシパリン)   .


・動物コントロール 念波動 ・念波動 ・治癒術 ・上級狩猟術

・ネクサス

習得した伝授のサークル   .


・光のサークル(体力点+3

装備(武器 2つまで)   .

矢筒と矢(矢筒1つに6本まで)   .


・バシュナのナイフ

・デュアドンの銀の弓(弓の射撃ボーナス+3)

・矢筒:有(1つ)   ・矢:残り6本

特別な品物(9個/12個まで)   .

ナップザック(8個まで)   .


・銀の兜(戦闘力+2)

・水晶の星型のペンダント

・盾(戦闘力+2)

・鎖帷子(体力+4)

・カルトの火の玉

・ダイアモンド

・火種×3




・銀の燭台

・銀のボウル

・砂金入りの小瓶


そして、上記のアイテムは悉く没収。いまや徒手空拳だ。
頼みのバネドンとも引き離され、監視塔の遥か高みの湿った石の廊下を連行される。
この俺がカイ・マスターであることも、デッシの古マギ人の援助を受けていることも、一切の申し開きはできなかった。
ゲームブックの選択肢に存在しない行動はとることが出来ないのだ。
それこそが狼最大の弱みであった。
「大人しくしてろ」
独房に容赦なく蹴りこまれ、背後で分厚い鉄の閂が下りる音がした。
タホウ到着から10分足らず――
俺は虜囚の憂き目に―― ブタ箱の住人と化していた。



通過パラグラフ:(109)→66→312→134 治癒術の効果:+3点   現在の体力点:13点

(つづく)