ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ148→→→パラグラフ66:一太刀にて汝を屠る:(死亡・13)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



10ターン目。ここが戦闘の終焉だ。
勝利を確信したドゥームオオカミたちが距離をとって突撃を始める。
カイ・マスターか奴らか、いずれかの墓標となるのだ。
だが――


双方の体力点を確認した時点で、この悪魔的天才は冴えたやり方を思いついていた。
もはや心はゆとりに満ち、悠然と敵めがけて歩きだす。
「……お前たちが何をしようと関係のない処刑方法を思いついたぜ」
呟き、バシュナのナイフを手に跳躍する。
命運を分かつ乱数表の出目は……「7」だっ!


転瞬――


「秘 奥 義 ・ サ イ コ ロ 交 換!!」


「今出た数字と、次に出す乱数表の「0」を交換するッ!」
―― 正しく字義通りの一撃だった。
即座にゲームブック業を発動させ、敵手の息の根を止めたのだ。
ここに因果はすべてブッ飛び、クリティカルで止めを刺したという結果のみが残されるっ!
乱数表「0」により、敵に8点のダメージ……
同時に跳躍し、喉笛を喰いちぎろうと迫ったドゥームオオカミを上体のスウェーでやりすごす。
四条の軌跡を描いて冷たい焔が走る。
バシュナのナイフ を鞘におさめたとき、首を失った2頭と2体が血煙をあげて大地に転がっていた。


―― 俺の勝利だ。
運命を覆し、死の罠を喰い破ったのだッッ!!


10ターンにも及ぶ死闘を制した今、タホウ丘陵などにもう用はなかった。
爆裂音が轟き、粉塵の中からバネドンが飛びだしてくる。
視線を交わしただけで言わんとすることを悟り、引き起こした白馬にまたがると一気に敵の囲みを突き破る。
執拗な敵を振り切り、青い魔術師のローブをひるがえしてバネドンが前を疾駆していく。


(久し振りに・・・)


戦いにおいて死神の顔を目撃した。それも雑魚相手の戦闘でだ。
恐るべきランクアップを果たした敵と邂逅して、ようやくこの新たなステージの堅牢さに慄然としたものを覚えだす。
バネドンと俺は待ち伏せの罠を破り、タホウへと馬を走らせた。



そして一つの後悔。
なぜ、二度目の探索開始時に、このような手があることまで読みきっていなかったのか。
濃縮アレサーを重ねがけすることで、戦闘比−17の敵を打倒することが可能だったのだ。
ならば、ソマースウォード を手にしてザカーン・キマーを圧倒するぐらい容易いことだったのではないだろうか。
自問したところで既に遅い。
もはや狼の手から濃縮アレサーは失われ、また、ソマースウォード も佩いていないのだから。


通過パラグラフ:148(戦闘)→66 治癒術の効果:+1点   現在の体力点:2点