ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ52→→→パラグラフ40:小麦畑で捕捉せよ:(死亡・13)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



バサリからの旅も昼に近づき、例のゴーカスの堆肥臭い農場を通り過ぎていく。
相変わらず田舎のお百姓たちが入口で屯している。
・・・と、そこで気がついた。



・方向認知術を身につけているのなら、96へ。
・泥だらけの小径を辿っていきたいのなら、187へ。
・農場の労働者たちに質問をしたいのなら、252へ。
・幹線道路に沿って進むことに決めたなら、318へ。


今回は方向認知術がない。つまり、前回進めなかった泥だらけの小道を辿っていけるのだ。
さて、どうしたものかと考えこむ。
この道が街道から外れていく間違ったルートなのは周知の通り。
大事なのはそこで何が手に入るか……
「ま、迷ったら前進あるのみ。行けばわかるさ」
「ちょっと、待てってローン・ウルフ」
何処かで聞いたような警句を口にして、心持ち顎を突き出しつつ小道へ馬を乗り入れていく。
そして。

 
 しだいに小径の幅は狭くなっていき、ついに完全に消えてしまう。 
 気づいたとき、君たちは丈の高い緑の小麦畑の海へ馬を乗り入れていた。 
 


「……迷った!」
力強く言い切ったところで聞く者さえいやしない。
青々とした穂をそよがせる一面の小麦畑のどまんなか、途方にくれる大の男が二人。
絵面の間抜けさときたら、先ほどのお百姓たちと大差なかった。
「なあ……何か言うことないか、ローン・ウルフ」
「ありまッせん!あるものですかッ!」
力強くバネドンを一蹴し、地平まで延びる畑をどこまでも馬で進んでいく。
1時間ほども麦畑を驀進しただろうか。やがて前方に、何やら光るものが見えてきた。



・上級狩猟術を身につけていて、プリンシパリンの階級に達していれば、140へ。
・上級狩猟術を身につけていないか、プリンシパリンに達していなければ、74へ。


再び超人望遠鏡の出番らしい。
マグナカイの力を極限まで高め、視界を猛禽のそれへ拡大し、焦点を地平の果てに合わせていく。
じきに煌めくものが幅広で流れの速い大河だと分かった。
基本的な追跡術の感覚と併せて、その大河がチューダス河と知る。
視力を元に戻して振りむくと、今しもバネドンが浮遊の魔術を行使する為の詠唱へと入ったところだった。
「ああバネドン君、その魔術はいらないんで。あれチューダス河だから」
「へあッ」
役立たず呼ばわりされてしょげるバネドンを特には慰めず、馬を駆って河へと向かう。
あれだな。
覚醒したカイ・マスターとは恐ろしいものだ。
純然たる戦士でありながら、魔術師のお株まで奪ってしまうのだから。
修道院壊滅前は俺クラスの戦士がごろごろソマーランドにいた訳で、ダークロードにとってはさぞ脅威だっただろう。
閑話休題
徐々にチューダス河の岸へと土地が下がっていく。
小麦畑を抜けだすころ、馬の足元には長い砂利の川べりが、土手に沿って連なっていた。
400メートル隔てた対岸は既に隣国スロビアの領土だ。
樹木さえ疎らな平野がうねりながら、果てしなく地平線まで広がっている。
視線を戻した俺は川べりを上流へ進んだずっと先に村があることに気づいた。
そして悩ましい選択肢にも。



・予知を身につけていて、プライメイトの階級に達していれば、199へ。
・この村へと近づき、より詳細に調べるなら、103へ。
・村を避けたければ、川岸を去り、小麦畑へ戻らなければならない。111へ。

(つづく)