ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ
【パラグラフ1→→→パラグラフ52:セクション14:(死亡・13)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。
「うべギッ…ごボガッ…ンギギィィ!」
「お、おいローン・ウルフ……大丈夫か、胸なんか掻き毟って、酷い悪夢を見ているようだな。何を魘されてるんだ」
「コゲコゲコゲコゲコゲ・・・・・・はッ!危うく溺死する夢を見たぜ」
二度目のスカイライダーで目を覚ます。
そうだった……。
何やら酷い悶死を迎えたような、いやあな夢を見たのだった……
「とはいえ、この狼に同じ罠は通用しないとここに宣言しようッ!」
とりあえず寝起きでJOJO立ち。
いたって平和なスカイライダーの船窓から、夜明けの曙光が射し始めていた。
カクシュ高原を飛び越え、眼下にヤジョー街道が見えてくる、
来るべきタホウでの防衛戦に、そして恐らく激突するであろうバサゴニア現皇帝、ザカーン・キマーとの宿命に思いを巡らせた。
「バシュナのナイフ ……悪をもって悪を制すか」
思わずひとりごちる。
この漆黒のナイフ自体はバシュナ召喚の儀式に用いられる媒体に過ぎず、武器として特別な力は無い。
それは百も承知だ。
あれほどの力を得ていたザカーン・キマーは、太陽の剣を持たずとも戦慄すべき強敵だろう。
奴を屠る鍵はタホウのいずこか……恐らくはザーリクスの遺跡に眠っている。
それは、殆ど確信に近いものだった。
この14番めの狼の体(ボディ)も、実に遣い手たる俺の精神に『馴染んで』いる。
最もゲームブックに縁ある数字。
セクション14にて手に入れた最強の器を以て、必ずやマグナマンドの邪悪を粉砕することだろう。
【アクション・チャート 恐怖のるつぼ】 ローン・ウルフ 14人目(13度死亡) |
能 力 値 . ・戦闘力点23(19点+2+2) ・体力点33(26点+4+3) ・金貨12+15枚(8巻までの48枚のうち、15枚を革袋に追加、残りはデッシに預ける) |
マグナカイの教え(階級:プリンシパリン) . ・動物コントロール 念波動 ・念波動 ・治癒術 ・上級狩猟術 ・ネクサス |
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習得した伝授のサークル . ・光のサークル(体力点+3) |
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装備(武器 2つまで) . |
矢筒と矢(矢筒1つに6本まで) . |
・バシュナのナイフ ・デュアドンの銀の弓(弓の射撃ボーナス+3) |
・矢筒:有(1つ) ・矢:残り6本 |
特別な品物(9個/12個まで) . |
ナップザック(8個まで) . | ・銀の兜(戦闘力+2) ・水晶の星型のペンダント ・盾(戦闘力+2) ・鎖帷子(体力+4) ・カルトの火の玉 ・ダイアモンド ・火種×3 |
・濃縮アレサー(一時的に戦闘力+4) ・アレサーの実(戦闘力+2) ・ラウンスパーの薬(体力+4) ・ラウンスパーの薬(体力点+4) ・レンダリムの万能薬(体力点+6) ・食料×1 |
修道院に置いていくもの . ・エデの薬草(体力点+10) ・レンダリムの万能薬(体力点+6)×5 ・ラウンスパーの薬(体力+3) ・特別なラウンスパーの薬(体力+5) ・アレサーの実(戦闘力+2)×2 ・ガロウブラッシュ(眠り薬) ・幅広剣×2 ・パッド入り鎖帷子(体力+2) ・ソマースウォード(戦闘力+10) ・瑪瑙のメダル(ポケットにしまう) ・力の鍵 ・銀の笛 ・プラチナのお守り |
ナバサリの高官から貰った白馬の背に揺られ、街道を進みつつ荷物をチェックする。
横で見ていたらしいバネドンがしきりに首を捻っていた。
「今回は随分ハッパが多いんだな、ローン・ウルフ」
「ああ…うん…まーな」
実に鋭い指摘に、あいまいな返事で言葉を濁す。
言える訳もない。
愛剣ソマースウォード が手元にないから妙に不安だとか、口が裂けても言えねー……
ザカーン戦を例に引くまでもない。
実のところ、真の『邪悪』を相手にしないときの方がソマースウォード は使い勝手の良い剣だった。
光が強まれば闇もまた力を増す。
当然の論理ではあるのだが、未だカイ・グランドマスターに到達していない俺にしても、この太陽の神剣を完全に使いこなせているとは言い難い。
闇の半神やその眷属の前では力負けしてしまう……現状では雑魚を一掃するための大量破壊兵器。
余程追い詰められない限り使わない、言わば鏖(ミナゴロシ)の剣だ。
それが無いとなると、道中やや不安ではある。
ぶっちゃけ丸腰で歩いているような落ち着かなさがあるのだ。
知らず知らず太陽の剣に頼りすぎていたらしい。この歴戦の孤狼がだ。
……ま、洞窟のケイブ・リーコンには出会わない方がいいだろうな。今戦りあうと、戦闘比マイナスになっちまう。
俺の思索をバネドンが遮った。
「なあローン・ウルフ、向こうから馬車の行列が来るぞ。どうする?」
「ああ。無視しとけ。ローザが乗ってるだけだから」
「・・・え?ローザって、私の師匠のチバン師の奥方の?ちょ、ちょっと待って、せめてご挨拶……」
「五月蠅い。お前は 上 官 の命令が聞けんのか」
「そ、そんなァ」
ソマーランド元帥の横暴でもって半泣きのバネドンを一蹴。
道中の乞食村も速度を落とさず走りぬけ、意気揚々と北へ驀進していく。
(つづく)