ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

nacht_musik2007-10-06

【パラグラフ229→→→パラグラフ63:マネーモンガーウルフ:(死亡・12)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



二射目の出目は4。
これにデュアドンの銀の弓の射撃ボーナス+3を加えて、軽々とクリア―― 命中だ。
ごぼごぼと、喉から溢れる血でくぐもった断末魔が裏通りに谺した。
一瞬の後、路地からジャークが現れる。
ジャークは滅茶苦茶に藻掻いて背中から生えた矢に手を伸ばし、抜けないと知るや最後の足掻きで投げナイフを引き抜く。
だが投げる寸前、苦痛の波がジャークを飲みこみ、だらんと垂れた手からナイフは零れて死体の脇に転がった。
「ガッツのある敵だったな、ローン・ウルフ」
「ああ」
上の空でバネドンに返事する。
たかがジャークだ、容易く殺せて当然だし、別に達成感も無い。
むしろ、金だよ、金。
それが手に入らなきゃ奴らも犬死ってだけだ。
クラーンは戦闘のいざこざに紛れて逃げちまったが、ジャークたちはポケットにお宝ねじ込んでいただろうが。
剣先で死体の肩から下がった鞄の留め金をこじ開け、中身をごっそり吐き出させる。
横取りした村人たちのジャークのお宝、この狼にそっくり献上せいッ!!


食料6食分  短剣(武器)  剣(武器)  ランタン  松明  毛布
銀の燭台  真鍮の笛  銀のゴブレット  シルクの上着  水晶のデカンタ


毛 布 ・・・
毛 布 ・・・





「なぁーッよぉーッバネドン知ってるか……毛布 ってマグナマンドじゃあマストアイテムらしいぜ」
ゆらりと立ちあがる。
「毎度毎度毛布 ゲットだ!って喜んでよぉーッ……ナップザック2つもスペース使っといて一度も役立ったことが無いんだぜ」
「お、おいィ……ローン・ウルフ……何を言って……?」
「鞄に毛布を詰めこんで喜ぶ兵隊が何処の世界にいるんだよ!舐めてんのかこの俺をよォォォォォ!!」
「!!!!!?」
「オメー俺に『換金させねー』心算だな!?金貨 がねェとか言う以前によォーッ!」
久々に来た殺意の波動……
激ブッ殺す……
ハイパーブッ殺す・・・・・・
怒髪天をつくとは俺の心境を的確に表した表現だ。
「『金貨○枚相当』の表示がねーってことはよォーッ……そういうことだよなァーッ?畜生コケにしてんのかッ!クソがッ!クソッ、クソッッッ!!!」
俺の憤怒に太陽の剣が応え、シダラの村を黄金の焔が舐め尽くしていく。
小一時間荒れ狂った俺が理性を取り戻す頃、村の跡地は真っ平らな焦土と化し、夕闇が迫っていた。
割れる寸前まで奥歯を噛み締めて血の涙を流しながら、シダラの村を後にする。
無論、行きがけの駄賃として銀の燭台、銀のゴブレット、水晶のデカンタはナップザックにブチ込んだ。


浅い谷間を渡り、丘を登って再び街道に合流。
久々にマジ切れしたせいだろう、またしても空腹を覚える。
今食事しないと体力点−3らしい。
何度でも言うが、極まったこのカイ・マスターには空腹など無縁の話だ。

(つづく)