ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

「攻撃」されているぞッ!

【パラグラフ28→→→パラグラフ180:スタンド名『ネイキッド・リーフ』:(死亡・12)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



老婆に連れられ、呪術師の家に向かう。
村人から聖者と崇められる呪術師の家は、外見は他と同じ貧しい小屋だった。
まあ清貧の中で修行を積む行者もいるので、一概に判断はできない。
だが近づくにつれ、熟達した スタンド使い 冒険者としての勘が、奇妙な引力を覚えだす。
軋む音を立てて扉が開き、闇に閉ざされた小屋を照らしていく・・・



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。



な……
何か凄いヤツがいるッ!!
この荒ら屋の奥の方……
闇の中に『何者か』が潜んでいるッ・・・・・・


 老婆が骨ばった拳で小屋のドアを叩くと、嗄れた声が、中に入れ、と告げた。
 待ちかねたように老女が袖を引っ張り、悪臭紛々たる荒ら屋に入れと急き立てた。








<全身にびっしりハッパを着込んだ痩せこけた老人が、擦り切れた茣蓙の上に座っている>




は、は…………
ハッパ人だァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!


本文も読まず、瞬間的に叫んでしまう俺。
なんという『破壊力』!そして『瞬発力』!
全 裸ハ ッ パ
この二つの要素の間に生じる真空状態の圧倒的トンチキ空間は、まさに歯車的マヌケ時空の小宇宙!!
この俺を笑い殺す気か!




「そろそろ良いかねえ」
憮然とした表情の老婆にようやく気づいて、のたうち回るのを小休止する。
イラストの後の本文をよく読んだら、ハッパではなく羽だった。
呪術師の老人は全身に羽を着込んでいるのだ。
言うなれば『ネイキッド・リーフ』もとい『ネイキッド・フェザー』。
だからといって見た目から推し量られる脳の状態は些かも揺るがないのだが。


とはいえ、その顔は流石『聖者』と呼ばれるだけあり、高い鷲鼻と刈りこんだ白鬚が貫禄を滲ませる。
ちらりと瞼が開き、充血したビーズのような瞳が此方を見た。
老婆は跪拝し、呪術師の耳元で何事か囁くと退出する。
扉が閉じると、呪術師は床一面に転がった鶏骨を掬い取って宙にバラ撒き、詠唱を始めた。
たっぷり一分は立っただろうか。
呪術師が此方に向き直り、俺の顔をひたと見据える。
「……お前には多くの敵がいる、北方人よ」
 鉤爪のような指で散らばった骨の模様を辿り、呪術師が言う。
「それも強力な敵だ。彼らはお前が選んだ道を閉ざそうと企むだろう。何故ならその道は彼らの破滅に通じているからだ」
老人は顔をあげ、核心となる予言を俺に授けた。
実に……この上なく不吉な予言を。

(つづく)