ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

腐った蔓の下から銀鱗の大蛇が現れる

【パラグラフ177→→→62:腐海の主:(死亡・12)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。


木から下りてきたペイドの表情が曇っていた。
「信号が無い…スターガイダーを使って全方向を調べたんだが…故障している訳でもないし、寺院そのものの反応が消失しているようだ」
「俺が登ってみよう。もっと高い所なら反応があるかも知れんし」
ペイドからスターガイダーを受け取り、木によじ登る。
地平線の見える場所からスターガイダーを作動させ、古マギの失われた寺院を示す信号音を待つが――確かに反応が無い。
諦めて木から飛び降りようとした時、北に何かが見えた。
赤い火山岩の島が沼地に隆起し、火口の東端から敷石のような岩が菱形に連なっている。
もし、寺院は島の反対側にあるとすれば、スターガイダーが反応を示さないのも道理なのでは――


木から下り、ペイドとその可能性を検討し、すぐさま北へと向かうことにする。
日没までに島に辿り着くには、16km――あくまで直線距離の話だ――の密林を踏破する必要があるのだ。
有り難い事に殆ど地面は堅く、沼地の野獣たちも何回か大声で威嚇し、武器を振り回すだけで対処できた。
だが、空が暗くなり、台地が近づくにつれ、進むのが難しくなってきた。
苔や蔓が一面に繁茂し、穴や窪地を覆い隠しているのだ。
ペイドに先導させ、絡み合い棘だらけの蔓を掻き分けて進む。
互いに貪り合っては生き腐れた蔓と軟泥は、時に膝丈を超える。
もし底無し沼に落ちれば、助かる見込みは全く無い。
突如、腐り落ちた枝葉の下の軟泥が震動したかと思うと、潜んでいた大蛇が姿を現した。
銀鱗に覆われた丸太のような尾が宙高く振り上げられ、二列の畝をなす鋭い牙からは腐食性の毒液が滴り落ちている。



動物コントロールを身に着けていて、プライメイトの階級に達していれば、45へ。
動物コントロールを身に着けていないか、プライメイトの階級に達していなければ、155へ。


マグナカイの動物コントロールを使って撃退を試みる――が、蛇の原始的な脳内で、飢餓が勝利を収めたようだ。
お目当ては俺とは違い、体臭を隠す術を持たないペイドだ。



「乱数表」を指せ。隠蔽術を身に着けていれば、その数に3を加えよ。
0から6なら、155へ。
7以上なら、167へ。


乱数表は――「5」。
俺たち二人を丸ごと呑み込めそうな巨大な口蓋の中で裂けた舌が踊る。
次の瞬間、巨体に似合わぬ速度で襲い掛かってきた――



銀沼ヘビ 戦闘力20 体力点60

ヘビはあっと言う間に攻撃してきたので弓を使うことはできない。
治癒術を身に着けておらず、プライメイトの階級に達していなければ、
ヘビの毒のため、君は体力点を通常の2倍失う。


乱数表は「9」。
跳躍と同時に黄金の光軌が一閃し、蛇体を縦に斬り裂いていた。



(つづく)