ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

ゼクスローグ

【パラグラフ138→→→192:密林の脅威:(死亡・12)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。


誤ったルートを選べば、ダナーグでは生死を分かつやも知れない……
腹を括り、北へと進路を取るべく歩き出す。
少なくとも、今は2人だ。
バケロスの戦士が頼もしい戦力になるだろう……多分。
萎びて半ば生き腐れた密林の頭上には、人喰い蔓がさながら蜘蛛の巣のように交錯し、悪臭を放つ腐泥には雑多な虫が潜み、靴に絡みついてくる。
突如、狂犬の遠吠えめいた叫びが、霧の向こうから聞こえてきた。
叫びの主は、直立すると人間より腕の長さ分大きい――沼地に潜み、獲物を待っていた巨大両生類だ。
緑色の皮膚から黒い水滴が流れ落ち、蟇蛙めいた半ば知性のある顔には邪悪な意図が顕わになっていた。



弓を持っていて、使いたければ、182へ。
火種を持っていて、使いたければ、225へ。
武器を抜き、戦いに備えるか。265へ。


この局面で、遂に火種 がその威力を発揮する時が来たようだぜ……。
流れるようにカイ・マントの隠しから火種 を掴みだす。
肘から先を爆発的に加速させ――這い寄ってくる大型両生類めがけ、飛礫であればやすやすと頭蓋を貫通する速度で投擲する。



驚いたことに、柔らかな繊維質の頭は火種 を跳ね返し、火種
ポチャンと音を立ててそのまま沼に落ちた。


ある意味俺には未来が見えていた……
この狼の冒険譚は大体いつもこんな感じだッ!
だがッ!ひるむ…と!思うのか…これしきの…これしきの事でよォォォォオオオオ!!!



ゼクスローグ 戦闘力点22 体力点30


念撃を用い戦闘比は+11、乱数表は「7」…そして「7」!
太陽の剣を抜き、軟泥に踝まで埋まりながら旋回する。
旋回しつつ念を凝らすと、剣尖から黄金の焔が奔り、俺を取り巻く円環となった。
まず無警戒に突き出された水掻きと鉤爪のある前肢が、全てを灼き尽くす黄金の輝跡の餌食となる。
死の円舞の速度を緩めず、ゼクスローグの全身を焔の刃が灼き刻んでいく。
正しく秒殺だった。
幾つもの焦げた肉塊と化したゼクスローグの残骸を飛び越え、3匹のゼクスローグに追い込まれているペイドの援護に向かう。
一匹を背中から両断、一挙動で旋回し、もう一匹の下腹部を薙いだ。
と、ペイドが残りのゼクスローグの針を思わせる鉤爪に腕を串刺しにされ、水飛沫とともに倒れた。
そいつは俺が間合いに入ったと同時に振り返り、無防備な喉めがけ鉤爪を繰り出してきた。
紙一重で避けたかと思いきや、ゼクスローグはすかさず強い刺激臭を放つ唾液を放ち、俺の両眼を激痛が襲った。
ただの大蛙と油断した――一時的にせよ視力を奪われた――ならば一撃貰うのを前提のカウンター――タイミングは勘で合わせるッ!
だが、予期していた攻撃は無く、ゼクスローグは喘鳴とともに水溜まりに崩れ落ちた。
充血した眼を開くと、ゼクスローグの背にペイドのナイフが深々と突き刺さっていた。
「見ろッ!」
そして5匹目――最後のゼクスローグが背後から襲ってきた。



ゼクスローグ 戦闘力点23 体力点32

上級狩猟術を身に着けていなければ、戦闘の間、戦闘力点が4点少なくなる。


ここでもマグナカイの教えが威力を発揮する。
最速の応戦により、怪物は奇襲の利を生かすことなくソマースウォード の餌食となる。
ゼクスローグは呻き声を上げて倒れ、身を捩ろうとする間もなく息絶えた。
連戦とは言え、この程度の敵に5点の浅傷――運が無いのは相変わらずのようだ。
沼地の縁に這い上がったペイドを助け起こすと、腕の傷口に飢えた蛭が群がっていた。
この場を離れる前に一度だけ振り向く――沼地の掃除屋たちは手際よく仕事を済ませたらしい――5匹のゼクスローグの死骸は既に消え失せていた。



通過パラグラフ:138→36→225→265(戦闘)→313(戦闘)→160→192 治癒術の効果:+1点 現在の体力点:25点

(つづく)