ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ136→→→333:モードリルの森:(死亡・12)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。


小川は聳える木々の間を潜り、シアド河の支流へと注いでいった。
馬を降りて冷水で顔を洗い、西の地平線を埋め尽くす鬱蒼とした森を見つめた。
「……モードリルの森に着いたらしいな」
「ああ。かつては光と美の素晴らしい森と謳われていた。木々は力強く育ち、美しい鳥と獣達で溢れていた」
ペイドの口調が陰を帯びる。
「しかし、最近になってダナーグの生物が侵入してきた。奴らは土と木々に病毒をバラ撒いたのだ。最早この森はダナーグの一部になるよう運命づけられている」
「………………」
再び騎乗し、小川を渡る。
対岸には出来たばかりの足跡が残っていた。



方向認知術を身に着けていれば、256へ。
方向認知術を身に着けていなければ、342へ。


獣か人かすら窺い知る事は出来ない――いずれろくでもない代物が彷徨いているようだ。
警戒しつつ険しい岸壁に馬を駆り、蹄鉄が下生えや落ちた枝を踏みしだいていく。
小川から1km半も行かないうちに、水の押し寄せる音が聞こえてきた。
水音に導かれるように北に向かうと、轟音を上げて岩棚へと流れ落ちる大瀑布が、濃霧を濛々と舞い上げていた。
大木が横倒しになり、天然の橋を掛けている。
騎乗したまま橋を半分渡ったところで、遥か眼下の渦巻く霧と急流を覗き込んでいると、対岸から呻き声が聞こえてきた。
滝の轟音にも遮られずに対岸まで響くその声は獣とも鳥ともつかず、何処か不気味な愉悦を含んでいた。


その獣は奇妙な忍び笑いを洩らしながら、恐れる様子もなく近づいて来た。
一対の角を振り立てた頭部は蜥蜴めいていたが、胴体は何処か巨大な洋梨を思わせた。
肌理の粗い太釘のような剛毛に覆われた後脚で、ぎこちなく立ち上がる――最前の足跡の主はどうやら此奴らしい。
獣の上半身は蒼白く、ほぼ毛が無い――その代わり、浮き出た血管が長く逞しい腕を這い回っていた。
「蜥蜴と熊――他にも入り混じっているようだが……」
「あれがダナーグの変異だ……来るぞ!」



ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・・・・・・・






ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 




                      






馬の怯えた臭いを嗅ぎ付けたのか……
獣は牙のある口腔を開き、殺戮の愉悦にまみれた哄笑を放った。



通過パラグラフ:136→342→212→333(戦闘) 治癒術の効果:+3点   現在の体力点:25点

(つづく)