ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ195→→→323:狼と武僧集団:(死亡・12)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。


ヘルガストを一刀のもとに斬首し、そのまま蹈鞴を踏んで蹌踉めく。
首を失った胴体が倒れると、すぐさまその不死者の骸は悪臭を放つ緑色の粒子となり、漆黒の長衣を襤褸へと腐蝕させつつ消えていった。


実に25点のダメージ――――
体力の残りは僅か4点。下限の6点を割り込み、もはや念波動を使うことさえできないのだ。
あと1ターン長引けば、死んでいたのは俺の方だったろう。
片手でラウンスパーの小瓶を開け、立て続けに二瓶の中身を一気に喉に流し込む。
この最悪の敵との遭遇戦が暗示する恐るべき真実――じっくりと考えている余裕は流石の俺にも無かった。
鍵の掛かった食堂の向こうから、階段を駆け下りる複数の足音が聞こえたからだ。
壁が分厚いせいで、正確な数は分からないが――当方に迎撃の用意ありッ!
「ペイドさんやそう言う訳ですんで起きる時間ですよ」
「うう〜ん……むにゃむにゃ」
「はーじまーるよー!今宵も殺戮の宴がはーじまーるよー!」
「最高の俺は他人は当然、俺自身も超えられない……だが今日は100パーセントではない俺を試す場じゃあない……」
「そのまま、死ね」
寝言をほざきつつも相棒はどうやら狸寝入りを決め込むことにしたらしい。
徹頭徹尾使えない男であった。


食堂からの退路は――調理場へと続くハッチだ。
取り敢えず足手纏いのペイドを担ぎ上げ、狭いハッチへと押し込んでおく。ハッチの奥がオーブンでないことを祈るばかりだ。
だが、その途中で食堂の扉が開き、武装した修道僧たちが雪崩れ込んできた。
慌てず騒がず、淡々と矢を番え、放つ。
矢は先頭に立っていた修道僧の剣を持った腕を貫き、胸板に釘付けにした。
修道僧たちはたった今射殺された同輩と、瘴気を燻らせるヘルガストの変わり果てた骸に身震いし、尻込みしている。
「お……お前は悪魔か?」
ようやく一人が信じられないものを見たかのように声を絞り出した。
「殺人魔術師だ!」隣の僧が言った。
「魂の無い虐殺者だ!」更に別の僧が続く。
口々に俺を罵っているが、どうやら師の正体を知らなかったらしい。
ただ、俺が今夜彼らの師を辺境地獄に叩き落とした事は、何となく理解できたようだった。
「あー…その…何だ…君たちは騙されていたんだよ!」
俺の抗弁も虚しく、復讐心と宗教的情熱に取り憑かれた修道僧たちは雄叫びを上げて襲い掛かってきた。



剣の修道僧たち 戦闘力点24 体力点42

彼らは君が武器を抜くまもなく攻撃してきたので、最初の2回戦は
素手で戦わねばならない。


剣を抜いている暇は無い。
修道僧たちは逆上しているので、こちらの念撃も通用しないおまけ付きだ。
しかも満身創痍の俺は、ようやく体力点14点まで回復したばかり。
更に抜刀できない最初の2ターンは徒手空拳 ――都合戦闘力点−4のペナルティを科されることに――



!?


この瞬間、俺は巧妙な敵の罠に……戦慄すべき事実に打ちのめされた。
戦闘比−4どころではない。
戦闘力+10のソマースウォード 込みで戦闘力31点を誇る俺にとって、ここは最悪の死地だ。
この一戦、実に戦力点−14のペナルティを喰らう。
すなわち 戦 闘 比 − 8
ヘルガストの脅威さえも凌ぐ逆境が待ち構えていた――!!!


通過パラグラフ:(308)→195→323(戦闘) 治癒術の効果:+1点   現在の体力点:14点

(つづく)