ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ30→→→268:死闘:(死亡・11)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。


狼の闘争本能を以てしても、本来の姿を取り戻したこの強敵――
戦闘形態に移行したヘルガストの虐殺本能には及ばない。
だが、この俺に恐怖は無い。
手にしたソマースウォード 不死者に2倍のダメージを与えうる。
斬撃が掠っただけでも、刀身から迸る黄金の焔がヘルガストの骨まで灼き尽くすだろう。
その威力の前では、戦闘比−4の不利など無に等しい。
力の差は五分と五分。
……生死を分かつのは、互いの運のみだ。


「7」――咆哮とともに跳躍、空中で姿勢を変え、肩口から胸元まで達する斬撃を叩き込む。
「7」――着地と同時に繰り出される鉤爪をかいくぐり、胴を薙ぎ払う。
「4」――被弾覚悟の踏み込みから、逆袈裟に斬り上げ、片腕を半ば以上切断する。
「9」――再び跳躍し、脳天から唐竹割りに鳩尾まで斬り下げる!


完膚なき止めの一撃。
ヘルガストの失う体力は実に52点のオーバーキルだ。
光軌が縦横無尽に奔り、不死者の肉体を文字通り灼き滅ぼしていく。
最後の一撃を叩き込み、焔を上げる剣を引き抜くと、断末魔の悲鳴が部屋中に響き渡った。
永劫の死に引き渡される運命を悟った者の、苦痛と絶望の叫びだ。
ヘルガストが倒れると、すぐさまその肉体は悪臭を放つ緑色の粒子となり、漆黒の長衣を襤褸へと腐蝕させつつ消えていった。


この最悪の敵との遭遇戦が暗示する恐るべき真実――じっくりと考えている余裕は流石の俺にも無かった。
呼吸が乱れ、蹌踉めいて膝をつく。
二段構えの罠により、俺は13点ものダメージを負わされていた。
そして遂に、猛毒がマグナカイの治癒術を圧倒し、全身を冒し始めたのだ。
もはや、治癒術では死への道程を抑えきれない……ッッ!



ラウンスパー、レンダリムの万能薬、エデの薬草のいずれかを持っていれば、178へ。
どれも持っていなければ、281へ。


死闘は終わっていなかった。
斃れて尚、ヘルガストの罠は生きている―― 死へのカウントダウンが始まったのだ。


通過パラグラフ:30(戦闘)→268  治癒術の効果:+1   現在の体力点:25点

(つづく)