ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ227→→→111:ザーダの迷路:(死亡・11)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。


意識を取り戻すと、そこは巨大な円形劇場を思わせる大広間だった。
人外の者が流血の惨事への期待に囁き交わす暗黒の元老院。それはエルジアンの真実の塔の醜悪な戯画だ。
銅鑼の響きとともにどこか狂的な悲歌が広間を埋め尽くし、歳月を超越した、死人めいた容貌の主が玉座から立ち上がった。
俺はその貌を知っている。
悪夢を具現化したかのような死の城塞に閉じ込められ、生命を弄ぶ残酷な遊戯に耽る狂気の支配者。


「ザァァァダァァァァァッッ!!!」


「評決は、下僕たちよ?」俺の憎悪の限りの叫びを完璧なまでに無視し、ザーダが問う。
「有罪です!ザーダ様!」
「罰は?」とザーダ。
「迷路に入れろ!」下僕たちが叫ぶ。「迷路に!」


俺の憤怒が、太陽の剣へと流れ込んでいく――その瞬間、ソマースウォード が黄金に燃え上がった。
一瞬で指先を灼き尽くされた矮人が、悲鳴を上げてのたうち回る。
怒った爺ィの虎拳一閃(体力点を1点失う)。
俺は折れた奥歯を血とともに吐き捨て、なおも牙を剥いて凶暴な笑みを見せた。


「此奴を迷路に連れて行け」支配者ザーダが命じた。「その剣は私に」
ソマースウォード は空中に舞い上がり、蒼い霧の紗幕がかかった黄金の玉座へと引き寄せられていった。
鎖に繋がれたまま大広間から引きずり出される時、ザーダの残酷な声が鞭打つがごとくあとを追いかけてくる。


完全武装した獣人たちに引きずられ、嘲りの声を上げる人外の下僕たちが並ぶ鋼鉄の通廊を行く。
獣じみた手で小突かれ、噛み煙草の混じった唾を吐きかけられ、嘶きともつかぬ罵声が耳の奥で何度も谺した。
獣人たちは巨大な鉄扉の前で立ち止まり、俺の両腕を万力のような力で締め上げていた手錠を外した。
両腕が自由になったとは言え槍が喉元に突き付けられ、逃げることはできない。
遂に迷路の扉が音を立てて開き、残忍な悦びの声とともに悪臭を放つ窖へ頭から押し込まれる。


「ようこそ迷路へ」
頭上高くから、嘲るような声が聞こえてきた。
蹌踉めきつつ立ち上がり、霧の漂う天井に眼を凝らす。
幽かな光が緩やかに形を成し、宙を漂う頭蓋骨となった。
虚ろな眼窩から不気味な緑の燐光が、生者の眼球のように揺れ動き、俺を睨め付けている。
肉の削げ落ちた頭頂には、高位の判事のような髪粉の着いた鬘が載っている。


「お前は刺客としてここへやってきたが、計画は失敗に終わった。さあ、今こそその報いを受けるのだ」
頭蓋骨からザーダの芝居がかった冷酷な声が響いた。
「お前はザーダの迷路に入る罰を受けるのだ。迷路から出られたら、命は助けてやろう。失敗すれば、死が待っている――死を探してここへやってきた者に相応しい結末ではないか」
「太陽神にかけて、死ぬのは――お前だ」


嘲りの声と共に頭蓋骨は霧の中へ消え、不意に死のような静寂が窖に落ちた。
壁の上方に半円形の影が見えたかと思うと、それは徐々に大きさを増し、一切の光を呑み込む奈落の顎と化した。
暗闇から骨まで蝕む冷気が凍み出してきた――これが迷路の入り口なのだ。


「さあ、入れ!入らねば、死が訪れよう!」
声が警告した。
足元近くの砂に弩弓の太矢が刺さり、続いて次弾を装填する音が聞こえてきた。
俺は非常に不本意ながらザーダの迷路に第一歩を踏み出した。


太陽の剣を奪われ、徒手空拳で死の罠が待ち受ける迷路へと挑む我らが狼!
次号、詰むや?詰まざるや?


……ここでアクション・チャートから武器全部と、武器になりうる特別な品物を全部消し、別紙に書き出す指示だ。
今後の冒険で発見した時のために――それまで生きていれば、の話だが。



【アクション・チャート 死の城塞】

能 力 値   .


・戦闘力点20(16点+2+2) ・体力点35(28点+4+3)

・金貨0枚(ホルムガードに溜めこんだ分が57枚)


マグナカイの教え(階級:カイ・マスター・プライメイト)   .


・動物コントロール ・念バリア ・念波動 ・治癒術



習得した伝授のサークル   .


・光のサークル 体力点(+3)



装備(武器 2つまで)   .


矢筒と矢(矢筒1つに6本まで)   .



・ソマースウォード(戦闘力+10)→没収

・デュアドンの銀の弓(弓の射撃ボーナス+3)→没収



・矢筒:1つ   ・矢:6本→没収


特別な品物   .


ナップザック(8個まで)  .



・水晶の星型のペンダント

・銀の兜(戦闘力+2

・盾(戦闘力+2

・鎖帷子(体力+4

・カルトの火の玉

・火種

・青い錠剤入りの薬瓶





・ラウンスパーの薬(体力+3)×2

・回復薬(体力+3)
 
・ロープ



修道院に置いていくもの   .


・エデの薬草(体力点+10)

・レンダリムの万能薬(体力点+6)×2

・濃縮アレサー(一時的に戦闘力+4) ・アレサーの実(戦闘力+2)×3

・ラウンスパーの薬3回分(体力点+4) ・特別なラウンスパーの薬(体力+5)

・ガロウブラッシュ(眠り薬) ・バシュナのナイフ

・食糧×3

・パッド入り鎖帷子(体力+2) ・幅広剣×2

・ダイアモンド ・ルビーの指輪・瑪瑙のメダル




(つづく)