ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

知性ある野獣たちが迫りくる

【パラグラフ69→→→パラグラフ165:セリアントロープ:(死亡・10)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



紫の長衣を纏った生き物が俺を指差し叫んだ瞬間、トンネル中に警報が鳴り響いた。
先程遭遇した獣人の警備兵4人が、兜の面頬を下ろして殺到してくる。
同時に攻撃してくるので、彼らを一つの敵として戦わなければならない。



ザーダの野獣たち 戦闘力点30 体力点39


3回戦までに勝つと別の分岐が発生するようだが……戦闘比は念撃を加えて+2。
39点を削りきるには心許ない。
しかも四位一体攻撃……4匹揃えば化学反応を起こしてスパーク……相当な強敵だが……。


すると何か。
俺の戦闘力は成人男性の3.2倍の戦力だとでも。


カイ・マスター=アイアン・マイケル相当<カマキリ以下


…………何この図式巫山戯てるの?
たとえ敵は56億7千万、挑むは一匹の狼であろうと……
絶対に負けられない戦いが其処にはある……ッッ!


乱数表は「7」、「1」、「8」。
この時点で分岐が自動的に消滅する。
獣人たちの体力を14点まで削ったものの、俺の体力点も8まで持っていかれた。
だが、次で「5」を出したことで体力点はともに6点。
俺たちの戦いはこれからだッ!!!


乱数表は「2」、「7」……体力点は僅か1点。
トンネルは既に屠殺場と化していた。
弱々しく抵抗する最後の1匹を挽肉と化せしめ、返り血を浴びる俺自身もまた満身創痍だ……と同時に壁の一部がスライドした。
現れたのは、煤けた黒いベルベットの短衣を着た醜い矮人だ。
これまた豚めいた眼に冷たい敵意を浮かべ、真鍮の円管を突き出した。
「甘い夢だったな」
そいつは憎々しげに嘲笑うと、円管の先端から噴き出した蒸気が、俺の顔面を直撃した。
咳き込みながら後退し、催眠効果のある気体を吸わされたのだと気づいた頃、俺は既に意識を失っていた。


(つづく)