ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

擬態生物の巨大な眼球

【パラグラフ158→→→パラグラフ41:コー島上陸:(死亡・10)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



喘ぎつつ水面に顔を出し、岩場の岸へ向かって抜き手を切って泳ぐ。
ようやく冷たい水から上がり、黒い砂に半ば埋まった丸石の横に屈み込む。
疲れ切った体に活を入れつつ、装備を調べる。



ナップザックに入れる物が二個なくなり、
汚い水のせいで食糧が全部駄目になった。


ゲゲェーッ!!!
泣く泣く回復薬とロープをアクション・チャートから消す。
しかもこれまでの冒険で完全防水扱いだった食糧まで……ッッ!
上陸した矢先にこれ……かよ……ッッ!
あらためて前途に不吉なものを感じる。


だが、どうやら嘆いている暇は与えて貰えないらしい。
左手の岩から何か重い物を引きずるような音が聞こえてくるのだ。
剣を構え直した時には、近くの丸石の表面に鋭い裂け目が現れ、鬼火めいた光が押し寄せていた。
これは丸石などではない――巨大な眼球だ。


反射的に、擬態生物の巨大な瞳孔に剣を突き立てる。
滑光る粘塊めいたものが傷口から滴り落ちる。
足下の地面――これまた擬態生物の肉体の一部らしい――からこの世のものならぬ悲鳴が上がる。
砂の中から間断なく蒸気が上がり、刺激性の埃に視界を奪われた。
突風から顔をガードしつつ後退するが、脚に攻撃を喰らい、地面へ投げ出される。(体力点を2点失う。
立ち上がる間もなく、無数の疣に覆われた暗緑色の触手が腰に巻き付き、斬りつけた眼球へと俺を引き寄せる。
…このままでは、本体のいる地中に引きずり込まれてしまうッ!


集中力を極限まで高め、マグナカイの奥義――念波動を巨大な眼球に叩き込む。
巻き付いた触手の力が弱まった隙に、筋斗を切って着地する。
念波動の使用により、更に体力点を2点失うが、取り敢えず死の罠からは逃れたようだ。



(つづく)