ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ
【パラグラフ235→→→パラグラフ334:地下聖堂にて:(死亡・10)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。
地獄穴から進み、2本の下水の合流地点を抜け、およそ800メートル進んだ先が大聖堂だった。
下水道に入った地点から見れば東の方角だ。
地図を細く巻いて懐に入れ、決然と汚水の中を歩み出す。
【アクション・チャート 恐怖の王国】 ローン・ウルフ 10人目(9度死亡) |
能 力 値 . ・戦闘力点28(16点+2+2+8) ・体力点33(29点+4)→現在は31点 ・金貨8枚 |
マグナカイの教え(階級:カイ・マスター・スペリオル) . ・動物コントロール ・念バリア ・念波動 |
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習得した伝授のサークル . ・サークルボーナスなし |
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装備(武器 2つまで) . |
矢筒と矢(矢筒1つに6本まで) . |
・ソマースウォード(太陽の剣 戦闘力+8) ・デュアドンの銀の弓(弓の射撃ボーナス+3) |
・矢筒:1つ ・矢:4本 |
特別な品物 . |
ナップザック(8個まで 満杯) . | ・水晶の星型のペンダント ・銀の兜(戦闘力+2) ・盾(戦闘力+2) ・鎖帷子(体力+4) ・カルトの火の玉 ・ダイアモンド ・瑪瑙のメダル ・ルビーの指輪 ・銀の鍵 |
・アレサーの実(戦闘力+2)×3 ・テカロの地図 ・レンダリムの万能薬(体力+6)×4 |
100メートルほど歩き、天井に跳ね上げ戸が見つかった。
目的地はここではないだろうが、念の為固く閉ざされた戸に力をかけ、鉄錆をふるい落として徐々に持ち上げていく。
僅かに開いた隙間から覗くと、そこは玉石を敷きつめたテカロ市の広場だった。
東に200メートル直進すると聳え立つ大聖堂の正面に出る。だが周囲は警備兵で固められ、ここから出るのは自殺行為だ。
同時に、地図との違いが気になった。
目測では明らかに200メートル、さっきの分岐路からも300メートル足らず。
だが、テカロの地図 は800メートルほどだと記されているのだ。
首を捻りつつ兎も角も先へ進む。
50メートルも進まぬうち、新たな下水道が流れ込んできた。
しっかり記憶に焼きついているのも道理、なにしろ進路の誤りは即死に繋がることを身を以て知っているのだ。
この場所が地図で言う2本の川の合流地点なのか。それとも2本の川が合流してきた三叉路がそこなのか。
考えつつ本流を直進していく。
汚水を掻き分け、苦労して歩幅を数え、更に150メートルで下水道は小さな丸天井の部屋に出た。
思わず身構える……が、前世で見かけた死の檻と違い、ここには奇妙な仕掛けはない。
テカロの下水道自体がこういう構造なのだろう。
小部屋の中央には天井から下がる錆びて横棒の窪んだ鉄の梯子があり、水の中からアーチ型の扉まで続いていた。
俺自身の目測を信じるなら、ここが大聖堂の真下となる。
梯子を登り、扉を調べた。
扉は古く、酷く腐蝕している―― 100年以上開けられたことがないのだ。
俄に胸の昂ぶりを覚え、俺は扉にしがみついた。
この奥に何があるか知りたければ、蝶番に100年にわたってこびり付いた汚泥をこそぎ落とさねばならない。
念波動の力を集中させ、打ち込まれた楔のように堅くぶ厚い層を成している泥を落とすことに集中する。
徐々に石扉は震えはじめ、送り込まれた振動によって泥が剥がれ落ち、裂け目が現れてきた。
遂に、軋みながら扉が開き、濛々と埃が舞い上がり――
テカロの地下聖堂が、その全貌をあらわした。
冷たく黴臭い空気の中に足を踏みだすと、心臓が狂ったように高鳴り始めた。
無意識の内に、カイ・マスターの全存在が不可視にして高位の力に感応している。
バレッタのロアストーン はここに安置された棺のなかの何れかに隠されているのだ。
灰色の月光が、地下室の静寂に染み渡っていた。
陰気な花崗岩の棺の連なりは、地下に横臥した眠る巨人を思わせる。
バレッタの天文台でグウィニアンから渡された銀の鍵 を取り出すのももどかしく、次々に棺の穴に合わせていく。
ようやくのことで合う鍵穴を見つけ、カチリと錠が外れた。
だが、次の瞬間……
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最悪の脅威が地下聖堂に姿を現した。
(つづく)