ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ102→→→パラグラフ118:アモリー再び:(死亡・10)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



ともあれセナー・ドルイドの追撃をかわした俺は馬を走らせ、夜半にはソーレーンに辿り着く。
波止場の桟橋に定期船の運賃表があるが当然スルー。金貨を無駄にしない。これ冒険者の鉄則。
アラムート山ばりにヤバめのハッパ修道院建設の為、当方ビタイチたりとも無駄にできねーのだ。
街中を進みつつ、ストーンランドの地図を広げて現在位置と目的地テカロヘの道程を確認。
馬で行くルートは2つらしい。
レム経由でセナー山脈を抜けるか、アモリーとエウラの森を抜けるか。
取り敢えず野宿もどうよと思い、目についたストーンサイド居酒屋に馬を繋いで入っていく。
すぐに雑多な喧騒が体を包む。
ごてごてとした派手な鎧で着膨れし、剣呑な長柄武器を担いだ連中が酒を酌み交わしていた。
南方の戦争目当ての傭兵だろう。
中には6、7本の戦闘用ハンマーを腰に下げた鈍器大好き人間削岩機みたいな奴がいたりする。
「おお!ボノウルフじゃないか!?来てくれたのか!」
不意に嬉しそうな声で不愉快な名前を呼ばれ、振り向く。懐かしいバレッタ傭兵隊長が俺を呼んでいる。
今回はあの辺を三倍速で移動しただけあって、本当に久しぶりな感じだ。
だが……その名前で俺を呼ぶんじゃあないぜッ!
「そうか!考えを変えて恐れを知らぬ勇敢な私の部下とともに轡を並べて戦う気になったのだな!」
「武功の勲と賞金の為に!」
泡立つジョッキを俺に渡した隊長が乾杯を告げると一斉に兵士が沸き立つ。
隊長は船賃を出してくれると言った。
悪くない申し出だが、やはり思いだす。
船旅=海賊との面倒バトルだってことを。



隊長と一緒に真夜中に出る川船に乗るか。341へ。
彼らと別れ、街道を走って、テカロへ向かうか。118へ。


「やかましいッ!うっとおしいぜッ!お前が人生最後に見るメルヒェンがこの俺だッ!」
カイの絶技を以てすれば、空のジョッキですら歴戦の傭兵を昏倒せしめる凶器と化すのだ。
幸福そうな顔で居酒屋の床に微睡む隊長に向かって、丁重に誘いを断った。
久しぶりにベッドで熟睡し、気力を取り戻す。
さあ、レムヘ出発だ。


  パラグラフ118

(前略)……南からの朝の知らせによると、レムへの道は通行不能……(中略)……
ナバリン方面への道は全て崖崩れで塞がれ……(中略)……
したがってアモリーを通る谷の道とエウラの森を行くしかない。
君は装備をまとめ、すぐに出発した。


「なッ…なァァンだッてェェェェ―― !!」
MMRッ面で叫んだときには既に馬上の人だった。
中の人の意志に反し、処刑地アモリー目指して一心不乱に死への片道行軍を続ける俺。
嘘だろ……
嘘だと言ってくれェェーッ!!!
執念深い貴族ローク卿に死刑判決を言い渡されるまで、あと、半日の猶予しか無い――

(つづく)