ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

見事な細工の弓を勝ち取る

【パラグラフ26→→→パラグラフ168:奥義・百歩神拳!:(死亡・10)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



重装備でアルタンと向き合う俺の戦闘力点は28+念撃の+2で実に戦闘比は+1。
最早互角どころではない。
しかも、ご丁寧に両者の体力点(標的点)は同じ持ち点50点から始まるのだ。
戦闘結果表で確認すれば分かることだが、この戦闘比なら「2」を出してもまだ互いのダメージは互角。
最悪の目、「1」さえ出さなければ、常に必ず、俺の方が敵を僅かに勝るのだ――
ここに一方的な戦いが始まった。
太陽の剣を振るうごとに、どこからともなく出現した矢が風を斬り裂いて飛び、正確に的を射抜いていく。
これぞマグナカイの秘奥義―― とはいえ俺自身にもその理屈はよく分からないのだ。
厳めしいアルタンの顔を焦りが覆い、それが敗色濃厚を悟った絶望的な諦めに変わるまで時間はかからなかった。
……ちなみに今回の結果(毎回の乱数)は以下の通り。


763/541/310


幾つか微妙な目を出しているが、それでも余裕の勝利。25点しかダメージを受けていないのだ。


君の矢が的に当たると大歓声が上がった。
村人たちはこんなにはらはらする試合を見て興奮し、射撃場に押しよせ、君を褒めたたえた。


「げははは駄目だよー。こいつはトップシークレットだからねェェーッ。どうして剣を振ると矢が命中するのってそんなこと聞かれたって分かる訳ねーだろこのクサレ脳ミソがッッ!!!」
「ヒ…ヒィィッ!!!」
突如としてブチ切れモードに入り脅えさせたりしつつ、村人に揉みくちゃになって俺は英雄気分にひたった。
悄然と去っていくアルタンの肩を引っ掴み、無理矢理抱擁、あとギリギリと握手。
なあ噛ませ犬のアルタン君よォォ(馴れ馴れしく肩を抱く)。
俺が勝った以上残すシコリなんてないんだぜ……いわゆるノーサイドってってやつだアアアアアアハハハハハハハハハハーッ!
でもって授賞式。
エルデノラの首都デュアドンにて、熟達の職人が最上のシルバーオークに魂を込めた不世出の逸品――
デュアドンの銀の弓 を審判団から手渡される。
効能を知り、俺は危うく卒倒しかけた。
この弓はソマースウォード に匹敵する最上級の武器の1つ。
デュアドンの銀の弓 を用いて矢を射るものは、その命中精度に+3のボーナスを得ることができるのだ。
ゲットし損ねてクリアしていたら、悔やんでも悔やみきれなかっただろう。



鼻歌を歌いつつスキップして会場の外へ出る。
またしてもシリルスがいなかった。人攫い大発生。
またしても盗んだ駿馬で走りだす。
ここでは馬を売ってもらうという選択肢がもう1つあるのだが、金貨1枚とて無駄にする心算は無い。
先刻までの大会優勝者たる英雄が一転、馬泥棒と化したから会場は大混乱。
血相を変えた男たちが飛びだしてきて一線に並び矢を番える。
マグナカイの動物コントロール持ちでここではボーナス+3。「6」以上なんて軽い軽いッ!


乱数はガッツリ「3」。


おお。
危うく死ぬところじゃねーか。
見た訳じゃあないので分からないが、どう考えてもここは即死昇天フラグに見えるので一命を取り留めた。


―― その後は特筆なしだ。

(つづく)