ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ1→→→パラグラフ261:プロジェクトLW:(死亡・10)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



俺がシルバーセージの逗留先で目覚めたとき、ぶっちゃけ首と胴が泣き別れしていた。
物に動じない傑物として近所には周知されている俺だが、この日の朝は些か勝手が違った。
斯くなる上は致し方なし……肉体(ボディ)……来たか…。
…見ろよ…この狼の情けなき姿を!敢えて…敢えてこの姿をお前の前に曝そう!
(中略)
神がいるとして運命を操作しているとしたら!俺たちほどよく計算された関係はあるまいッ!
(中略)
苦痛は与えん!それが我が好敵手(ライバル)への最後の礼儀!我が肉体となって生きよ!
パイルダァァーッ・オンーッ!!
……嘘だけど。


毎度の出だしもこれで5回目。
暮れなずむクォーレン間近の街道までやってきて、暫し馬上で考えこむ。
このままではいけない。狼どころか負け犬スパイラルだ。
都合5回の探索で、最早事実上ラスボスとの決戦を除いて全シーンをコンプも同然なのだ。
ならば……必要なアイテムをゲットしつつクリアへと至るための全ルートを思い描く。
優先順位は以下の通り。
・レムでハッパを買う。レンダリムの万能薬 は一本金貨7枚。
・アレサーの実は逃さず3つ買う。
・弓技大会で優勝し、デュアドンの銀の弓を手に入れる。

ロアストーン入手時には、ナップザックをレンダリムの万能薬 アレサーの実 でパトゥンパトゥンにしておくのが今回の課題だ。
ストーンランドに知悉した今の俺なら不可能ではない……だろう。多分。



かくてマグナカイアドベンチャーの真の姿が幕を開ける。
ストーンランド。相次ぐ戦乱はこの肥沃な大地を疲弊し荒廃させた。
致命の罠と疑心暗鬼が訪れる者(要は俺のことだ)を蝕み、金貨を浪費させていく。
だが、ここに……
止め処なく目減りしていく体力と金貨をコントロールし、潤沢なハッパを仕入れることに全生命を賭けた男たちがいた(既に5人が犠牲に)。
これは戦乱の地でハッパの買付を企み、この世の楽園・愛の国ガンダーラを夢見た1匹の狼の物語である―― !!





必要以上に小節のきいた主題歌とオープニングは適度に省略。
べ…別にJASRACが怖いからじゃあないんだからねッ!
もうひとつ!俺は犬が嫌いだ!怖いんじゃあない…人間にヘーコラする態度に虫酸が走るのだッ!あのダニーとかいう阿呆犬を俺に近づけるなよなッ!
ある意味新ジャンルのツンデレ降臨。
それはそれで別にどうでもいい。



【アクション・チャート 恐怖の王国】  ローン・ウルフ 10人目(9度死亡)


能 力 値   .


・戦闘力点28(16点+2+2+8)

・体力点33(29点+4)

・金貨18枚(5巻までの49枚は修道院に預けておく)


マグナカイの教え(階級:カイ・マスター・スペリオル)   .


・動物コントロール ・念バリア ・念波動



習得した伝授のサークル   .


・サークルボーナスなし



装備(武器 2つまで)   .


矢筒と矢(矢筒1つに6本まで)   .



・ソマースウォード(太陽の剣 戦闘力+8)

・弓



・矢筒:1つ   ・矢:6本


特別な品物   .


ナップザック(8個まで 満杯)  .



・水晶の星型のペンダント

・銀の兜(戦闘力+2

・盾(戦闘力+2

・鎖帷子(体力+4

・カルトの火の玉

・ダイアモンド

・瑪瑙のメダル





・ラウンスパーの薬(体力+4)

・ロープ

・特別食料×1




という訳で今回の金貨は18枚とやや多めだ。これは素直に嬉しい。
あとはこの金をいかに払わず戦禍の国々を突き進んでいくかだが……
残照のクォーレン市街を見下ろし、カイの教えを確認して牙を剥いて声もなく嗤う。
忘れもしない、初めて訪れたあの日の屈辱。
横柄なリリスの守備兵どもを蹴散らし、雪辱を晴らすのは、今この時をおいて他にないッ!
マグナカイの動物コントロールが人馬一体の境地へと誘う。
かつて非業の死を遂げた南門へ一散に疾駆する。
南門へ続くアーチ道へ馬を乗り入れると、閂を外して2人の守備兵が槍を手に現れる。
1人が槍を持たぬ方の腕を伸ばして静止し、愚かにも声をかける。
「止まれ、そこの者!通行証を見せ……」


「死ねえェェェイィィハァァァ!!!」


いやむしろ死ねェェェ!!!
本文に何の記述も無くても死ねェェ!!
ベアークロー2本で100万+100万で200万!
いつもの2倍のジャンプで400万!
更に3倍の回転を加えればバッファローマンよ……お前の1000万パワーを超える1200万だッッ!!!
めくるめく殺戮衝動に導かれるままに意味不明なゆでたまご理論を大絶叫し、奔騰した駿馬とともに突撃する。
正面の兵士の胸に蹄を深々とめり込ませ、その勢いで大きく蹴り上げる。
錐揉みしつつ華麗に宙を舞う同輩に驚く見張りを石畳に踏み潰し、更に速度を上げて門へ突っ込んでいく。
そしてまたしても現れる新手の兵。
ククク……有象無象が来よる……うぬら鏖と書いてジェノサイドじゃあああーッ!!!
橋の手前で跳躍し、夕陽を背に高々と馬影が天翔た。



「乱数表」を指せ。
動物コントロールを身につけていれば、その数に3を加えよ。


0から2なら、99へ。
3から6なら、187へ。
7以上なら、22へ。


眼前に迫りくる鉄槍を見据えつつ、だが速度を緩めずに乱数表を指す。結果やいかに――

(つづく)