ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ284→→→パラグラフ211:ラスボス乱入:(死亡・8)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



二度目の結果……それは……
「0」!!!
完璧にも完璧の数字が俺に微笑みかけ、そしてこの瞬間。
「ギャァァァァ―――――!!!!!」
耳を覆うような絶叫とともに、頭蓋を抉り抜かれて兵士の1人が崩れ落ちた。


「狼は2度刺すッ!」
一方で俺はカイジっ面で意味不明言語を大絶叫し、真っ白な犬歯を剥きだして笑う。
よくやってくれたッ!!
お前のおかげで……文無し即死エベント(推測)への移行が避けられたッ……!
「よーしよしよしよしよしよしッ!!」
嬉しさのあまり駆けだした俺は仲間殺しの騎兵を神速愛撫し、その労をねぎらった。
人の不幸は蜜の味ッ!
死体の影で金貨が踊るッ!
語法としては大変不謹慎かつ間違っておるが気にしないッッ!!
6枚の倍額、12枚の金貨が狼の手にィィッ!!!
熱いぜ熱いぜ熱くて死ぬぜッ!!!


……実は賭けを始める前と比べて金貨は1枚も増えていないのだが、そういう部分は記憶から抹殺する方向で。
エキサイティングした余韻もさめやらず、太っ腹気分でビールを注文しようと女給を探す。
代わりに押しつけられたのは背中の冷たい刃だった。


「金を出せ。出ないと命はないぞ」


……ムゥーン。
ちと、はしゃぎたか喃。
見る間に醒めた気分になっていく。興醒めとはこのことだ。
そういや感じていたのだ。
居酒屋入ったときから俺に異様な興味を示す頭の悪そうな傭兵2人組を。
1人が背後からナイフを突きつけ、さりげなく俺の横に立つ片われが嚇し文句を口にする。
それにしたって……。
こんなチンケな連中に脅されるようになったとは。
俺も焼きが回ったもんだネェ……
「どっちにするんだ?」
さて。
どっちにするか喃?(両手をコキコキ鳴らしながら)


抵抗せずに金貨を渡すか。161へ。


って、ここでは選択肢が1つしかないのか!?
強制お支払いイベント!?
これには百戦錬磨の狼も一瞬ひるんだが、よく見たら見開きイラストを間に挟んで3ページ先に残りの選択肢があった。
ていうか、見開きページ……超ラスボスっぽい怪物が絵が描かれているンすけど……。
ヤベー強そうー。





B「それはこんな感じの敵でしょでしょ?」(落書き中)
朕「ムゥーン……出来ておる喃」
B「ラスボスかわいいよラスボス」(ギャングスタラップハルヒダンスを踊りつつ)
……閑話休題




抵抗せずに金貨を男に渡すか。161へ。


要求を受けいれず、金貨を守るために戦うか。282へ。
上 級 狩 猟 術 を身につけていれば。114へ。


無論、マグナカイの上級狩猟術は身につけている。あらゆる不意打ちを無効化し、敵に先んじて戦うための教えだ。
「ビビッてんのか?何とか言えコラッ!」
「………」
これから死ぬ奴とかわす言葉など無い。
問答無用、喋りまくる強盗の喉笛に虎拳の直突きを食らわし、空いた手で上着を掴む。
苦悶で蒼白になった強盗がひゅうと息を吸いこむが、その喉は既にひしゃげていた。
背後からナイフが突きだされると同時に狼の速度で上着を引き寄せ腰を捻り、悶絶する強盗の体を盾にする。
刃は強盗の胸にまんまと突き刺さり、仲間を殺した動揺で後じさる強盗へと俺は踏み込んだ。



強盗 戦闘力点15 体力点22


チンケな強盗は最初のターン動揺してナイフを扱えず、こちらの戦闘力は2増え、実に戦闘比+13
強盗は俺の抜刀を見ることすらなかった。
重い音をたてて強盗の上半身が床に転がり、数秒後、下半身が後を追った。
噴き出す血の勢いが弱まるのを待って素早く死体を探り、金貨5枚 を奪う。
……安い命だった。
宿の主人が駆けつけて始末を始めるころには、俺は傭兵の中に紛れ込んで酒をあおっていた。
大きな円卓の席に座り、ジョッキを掲げて乾杯をする……
無論、そこにいるのは、あの傭兵隊長と、軍曹の赤髭たちだ。

(つづく)