ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ284→→→パラグラフ284:賭博黙示録ウルフ:(死亡・8)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



さて、2枚賭けの一発目。
当たれば14枚、外せば10枚だ。
3回しか賭けに挑戦できないあたり、一回一回の重みが段違いだ。
狼の命運やいかに(あと的にされた兵士の頭やいかに)――
一発目の乱数表。「1」。


二度目を振るまでもない。俺の負け。ボッシュート君。
ムキィィィィィ!!!
ここで止められるか?言うまでもあるまいよ!
負けを取り戻すべく、倍額4枚賭けで二度目の乱数表を狙う。
大きくふりかぶって、叩きつける――
……最初の乱数表が「2」。
またしても二度目の数字を振るまでもない。
親の総取りっ……流れがっ……無いッッ……
騎兵は見事に果物だけを突き通してのけ、賭け金を徴収する太った傭兵がニタリと笑う。
驚愕の余り手がわなわなと震えだす。
ドドドドドドドドドドドd………………どういうことですかァーッ!?


一瞬だけ、遙か昔に同じようなことをした記憶が。
どこだったっけか……
そう……海辺の町ラガドーンで、馬車の切符代を稼ぐべく博打を打って、一瞬でオケラになって……
でもって、それが冒険に響いて、死亡の直接の原因になったんだった……
次々と過去の悪夢がフラッシュバックする賭博無間地獄。
今なら、まだ6枚残ってるぞなもし?
ここでやめるべきぞなもし?
耳元で囁く理性の天使に鮫のような笑顔で応える。


俺は、残りの全額6枚を、3度目の賭けに突っ込んだ。
当たれば12枚(トントンに戻るだけだが、まあゼロよかマシ程度)、外れれば、今夜の宿代がパアだ。
想像を絶するプレッシャーに、俺の思考回路は例によって回路全壊だ。
最初の乱数表……「7」。
おお。
これは幸先いい。
 「二度目の数字+3」より大きいことが前提だから、これは確率高い。
そして。
二度目の乱数表、こいつがデカイ数字なら、騎兵は律儀に頭の果物と不殺の精神とやらを貫き、ついでに俺は文無しだ。
騎兵が走り出し、俺は乱数表を狙う指に渾身の力をこめる。



SATSUGAIせよ!SATSUGAIせよ!SATSUGAIせよ!



どこぞのブログタイトルばりの超不謹慎な言葉を大絶叫しつつ、俺は乱数表にペンを突き立てた。
(つづく)