ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ242→→→パラグラフ242:消された狼:(死亡・8)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



扉が施錠されていることを知り、ノックする。
錠が外れる音がして礼拝堂の扉がゆっくり開き、何百という目が疑わしそうに俺を見つめた。
先ほど見掛けた者と同じく、いずれも茶褐色の長衣をまとっている。
金色の長衣を着た司祭が中央の通路を歩いてきた。
信者たちの背後で立ちどまり、こちらを凝視したかと思うと、憤怒の形相で司祭が矢継ぎ早に問う。
「どういうつもりだねッ!」
「礼拝の邪魔をするとはッ!」
「何をしに来たのだッ!」


バレッタのロアストーン を探しにきたのだ……きたのだ……きたのだ……



明快に答えた俺の声は、思いもかけず礼拝堂の天井に谺し、エコーを響かせて消えていった。
沈黙が下りると、集まった信者たちの間から奇妙な溜息が洩れ、モーゼさながらに茶褐色の海が2つに割れる。
その中を歩き出すと背後で扉の閉じる音とともに、司祭が近づいてきた。



突然、信者は立ち上がり、茶色の長衣の下からナイフを抜いた。
彼らは目に殺意を浮かべて君に襲いかかり、君をずたずたに切り刻んだ。
君の命と探索の旅はここで終わる。

「ブ…ブッ……ピドゥ……」
口から大量の鮮血を吐いて礼拝堂の床に倒れ込む。
どこからか鎮魂歌がはじまり、やがて、それは耳を聾する音響となって俺の意識を奪い去った。
シリルスがあれほど口を濁していた、その真の理由。
よもや死の間際で知ることになろうとは思わなんだ。
ロアストーンの探索を妨害する者たちの手にあえなくかかり、命の最期の一滴が流れ出していく。
畜生……
だってよォーッ……
ノックした次のパラグラフ目指してページをめくった瞬間、気づいちまったんだもんよォーッ……
文章が4行しかないってことと……


『次に飛ぶパラグラフが無い』って……ことに…。


29点まで回復したカイ・マスターの生命力も、熟練のゲームブッカーの技術も、ここでは何の意味も成さない。
こんな……出会い頭の辻斬りみたいな殺され方は……
正直、本望じゃ……ない……ぜ――




『ローンウルフ8人目 再起不能(リタイア):死因 ロアストーン妨害者の手にかかり惨死→To be continued 』
(つづく)