ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

修学の場を探る

【パラグラフ21→→→パラグラフ242:消された伝承:(死亡・7)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



修学の庭を歩きつつ、シリルスの遺した言葉を今一度思いだす。
『ブラス街……』
『グウィニアンという賢者を探し……』
『貴方の手助けを……』
バレッタのロアストーン の在処を知る人物がいる。
そう告げたクォーレンでの言葉を思い起こせば、グウィニアンがその人物なのだろう。
シリルスがあれほどロアストーンの伝説を口にしたがらなかった理由も、そこで分かるのだろうか。
いずれにせよ、ある程度は前提となる知識が必要だ。
何しろ、今の時点ではそういう伝説があったということしか知らないのだから。



灰色の大理石の扉の突き当たりに図書室の扉があった。
中庭に入ってくるとき見かけた茶色の長衣の男たちは今では見当たらない。
建物全体が、まるで墓場のように沈黙に支配されている。
踏み込んだ図書室は広く、何千冊もの本が主題別に分類され整然と並んでいた。
マグナマンド全土のあらゆる歴史、学問、哲学などがここにまとめられている。
無論ソマーランドの歴史も、だ。
ここにも人はいなかった。つまり、すべて閲覧可能ということなのだろう。
バレッタのロアストーン 、またはサン・イーグルの探索行について詳しく書かれた本が無いか調べだす。
じきに、不可解ではあるが疑う余地のない結論に辿り着いた。
……無いのだ。
本来あるべき歴史の棚、或いは神秘学の文献の中から、俺の探すものについてだけ、記述されていたはずの本が抜け落ちている。
無くなった本の隙間を調べたが、埃の積もり具合から見てもこれらの本が持ち去られたのはつい昨日のことらしい。
ただの偶然で片づけないほうがよいだろう。
誰かがロアストーン を求めているか、探索者の妨害に回ろうとしているのだ。


これ以上の調査は無益と判断し、図書室を出た足で礼拝室へ向かう。
幾つかの廊下をくぐり、階段を降りて礼拝堂へ近づくと、信者たちに説教をする甲高い声が聞こえてきた。
賛美歌の合間を縫って男の声がずっと聞こえてくる。
生憎、マグナカイの上級狩猟術も予知も身につけていないので、それ以上のことは分からない。
こんなときこそ方向認知術の使いどころじゃないんですか?ねえ神……?
誰にともなく毒づいて、礼拝堂の扉に手をかけた。
大きく音を立てて施錠された扉が揺れる。



再度ノックをすると礼拝堂は静まり返り、錠が開いた。



通過パラグラフ:(21)→302→320→226→242  回復術の効果:+4点   現在の体力点:29点
(つづく)