ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

墓を破り、眼窩のない瞳が俺を睨む

【パラグラフ31→→→パラグラフ :苦痛の王(デーモンロード)・タガジン:(死亡・7)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



少しだけ、マグナマンドの歴史を紐解いてみよう。
遙か6000年の昔――
太陽神カイと月の女神イシールの庇護を受けたソマーランド人がまだ現れてもいない古王国の時代。
地獄の王アガラシュと善の勢力の千年の争闘の後、暗黒神ナールは様々な謀略を巡らし、より強力な下僕を創造する必要に迫られた。
その一つがデッシ古王国の魔法使い古マギ人の殆どを滅ぼした「大疫病」であり……
ダークロードより起源の古い邪悪の半神・デーモンロードの創造だったのだ。
太古の闇に葬られた苦痛の王の召喚が、ここに始まろうとしているッ!!



「出でよタガジン。我は汝を呼ぶものなり。永遠なる苦痛の地獄より呼ぶものなり!」



半ば恍惚とした表情でロークが護符を手に呪詛を唱えだす。
恐るべき呪詛の力が四囲に満ちると、皮膚を刺すような感覚とともに、永劫なる闇の重圧がのし掛かってきた。
ロークは伊達や酔狂で呪文を唱えているのではない。
いかなる邪悪を信奉しているのか、この若い貴族は闇の眷属を召喚する力を備えているのだ!
逃げ道を求めるが、包囲の輪を破る道は背後の墓地しか無い。
罠だろう……だが他に手が無いのだ。
踵を返して馬で教会の石門を駆け抜けるが、その先に待っていたのは更なる恐怖だった。


教会の上に黒い竜巻が起こり、下にある全てのものに冷気を吹きつけ……
……(中略)……
凍りついた土の中から何本もの骨の手が出てきて馬の脚を掴んだ。
馬は驚いて嘶き、後ろ脚で立ちあがり、君は甦った不死者の手の中へ放り出された。


墓場全体が鳴動し、固い地盤を割って瞳のない眼窩が俺を睨め付ける。
凍えるような痺れが全身を覆い、思うように手足の動かない俺目掛け、無数の亡者が殺到してくるのだ!
上級狩猟術を身につけていなければ不意打ちにより2回戦まで戦闘力−2のペナルティ
更に、不死者には念撃も念波動も通用しない。




甦った不死者たち 戦闘力点18 体力点35

ネクサスを身につけていなければ、寒さのために、一回戦行うごとに体力点を2点づつ失っていく。



最初の2回戦、戦闘比は+1に低下する。
確認した俺の体力は残り15点、最後の薬は既に使いきったあとだ。
狼の咆哮とともに不死者に立ち向かう。
1回戦目の乱数表は7、直後に2……だ。
―― 戦慄が死の悪寒となって吹き寄せた。
ありえない……
戦闘比+1という圧倒的有利でありながら、俺は、敵の体力点を見誤ってしまったのだ。
15点のダメージを食らわせ、不死者の体力点は残り20点。
戦いはまさにこれからが正念場だ。
だと、いうのに。
5点のダメージ+寒さによる4点の消耗で、残り体力6点しかない!!!
つまり、3回戦以降に無傷でクリティカルを連発したとしても、 3 回 戦 後 に は 確 実 に 削 り 殺 さ れ る のだ。
狼の進退はここに窮まり、確実な死へのカウントダウンが始まった。



通過パラグラフ:(31)→(270戦闘)→  回復術の効果:+0点   現在の体力点:6点
(つづく)