ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ
【パラグラフ332→→→パラグラフ125:バレッタの傭兵:(死亡・7)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。
席につき、食事を注文するか。172へ。
フロントへ行き、空き部屋がないか訊ねてみるか。232へ。
金貨を持っていなければ、91へ。
方向認知術か予知を身につけていなければ、346へ。
宿について早々、俺は首を傾げた。
どうも奇妙な選択肢が二つある。
金貨を持っていなければ、91へ。
まずはこれだ。
前回、長々と金貨の話をしたが、ここはまだストーンランドのとば口なのだ。
最低でも金貨10枚は所持しているのに……街に入ったばかりのこの時点でもう文無しとな?
まあ、想像できなくはない。
警備兵に有り金残らず巻き上げられる展開があったのだろう。
そしてもうひとつの選択肢。
方向認知術か予知を身につけていなければ、346へ。
「身につけて……いなければ??」
何を言っているのか…筋が通らない。
教えを身につけている人だけ進めない選択肢とは、どうにも解せないのだ。
誤植だと思うので、ここは取り敢えず 秘 奥 義 ・ 指 は さ み ノ ゾ キ を使って探ってみる。
不愛想そうな酔っぱらいたちが暖炉のそばに座って……(中略)…… たぶんバレッタからやってきた隊長に同行する傭兵たちのようだ。
やはり疑う余地もなく誤植だった。
明らかに方向認知術を身につけていないと分からないような情報も含まれている。
正しくはこうなるはずだ。
方向認知術か予知を身につけていれば、346へ。
大方見落としがあったのだろうが、ゲームブックにおいてこうした稚拙な誤植は命取りなのだ。
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暖炉の脇、一番上等な席に陣取った兵士たちに意識が向く。
旅の埃で草臥れた彼らの上着の胸に、二本の剣を交差させた模様を刺繍した赤い徽章が縫い取られている。
マグナカイの方向認知術により、それがバレッタの紋章だと気づいた。
つまり彼らは俺の目的地、バレッタからやってきたということになる。
うまく話を引き出せば、バレッタのロアストーン に関する有益な情報が聞けるのではないだろうか。
彼らのテーブルでは、兵士達は酒をがぶ飲みし、大袈裟に武勇伝を語り合っていた。
辺り憚らぬ大声は、戦場で鍛え上げられた傭兵特有の抑揚を伴っていた。
だが俺が近づいていくと、傭兵たちは一斉に口を噤んだ。
―― 一触即発といったところか。
(つづく)