ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ253→→→パラグラフ268:葬送:(死亡・6)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



妖しい深紅の光を両眼から放ち、忍び笑う毒霧が蛇体をくねらせ襲いかかってくる。



ドルガーン 戦闘力点20 体力点40

宝飾鉾をもっていれば、鉾はこういう怪物に対して魔法の力を発揮するため、戦闘力点は5点増える。


宝飾鉾が、ここで役立ったのか!
悔いたところで遅い。鉾は手元にない。
予備の武器、幅広剣を抜いて肉厚の刃で瘴気を斬り裂いていく。
兜、盾、念撃を駆使して戦闘比は±0。
文字通り力の差は五分と五分だ――



異界の猛毒により腐食した剣が、最後の一撃を叩き込む。
8点の負傷 と引き替えにドルガーンは微かな燐光を放ち、暗黒の瘴気へと還っていった。
ダークロード・ハーコンから余裕が失せ、玉座へと後ずさる。
鋼鉄の籠手に覆われたその手から輝く蒼い魔石が落下し、俺とハーコンの間に転がってきた――



・石をつかみとるか。268へ。
・石を無視してハ−コンを攻撃するか。390へ。
・第六感を身につけていれば、204へ。


カイの第六感が、ハーコンが落とした魔石こそ唯一の武器だと告げた。
魔石は強大な混沌の渦を今この瞬間にも世界に呼び込んでいる。
その魔力をダークロード・ハーコンに向けさえすれば、この悪しき半神を葬ることができる。
滅ぼすことこそできないが、少なくとも此処では無い何処かへと転移させることができるのだ。


ハーコンは魔石を叩き潰そうと神速の鉄拳を振り下ろすが――

狼の咆哮とともに、神をも凌駕する速度で滑り込む―― !!


本当に僅かな、紙一重の差だった。
振り下ろされる鉄拳に魔石を向けた刹那、蒼い光がハーコンの漆黒の鎧を染めあげる。
断末魔の絶叫をあげたハーコンが膝を屈すると、何かを吸い込むような名状し難い風音とともにハーコンの実体が徐々に薄れていく。
魔石に突然音を立てて罅が入ったが、最早危険では無かった。
この場から消滅した宝石の主、恐らくはダジャーンよりなお遠い極界に葬られた主と同じ様に……
輝く魔石は消え失せていた。



俺は勝った。
ソマースウォード をあえて放棄する……その『覚悟』を持つことによって……
闇の半神が一柱、アールナクの卿、ダークロード・ハーコンを倒したのだッッ!!!!!

(つづく)