ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

太陽の剣がまとう無限の熱が尽きていく

【パラグラフ229→→→パラグラフ353:熱無き太陽:(死亡・6)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



ソマースウォード から、邪悪を灼き尽くす黄金の刃から、光と熱が薄れていく。
愕然とする事実に思いいたる。
太陽神カイの聖剣ソマースウォード は、太陽の光と熱をその源にするもの。
かつて一片の陽光すら届いたことの無いこの玉座の間では、ソマースウォード は真の力を現すことができないのだッッ―――― !!!!
ダークロード・ハーコンが迫ってくる。
再び籠手に握った魔石から蒼い炎が迸り……皮肉にも魔石は蒼いフレアを纏い、地獄の炎の剣となった。
死と腐敗の匂いが立ち籠める。
濃密すぎる絶望と死の予感で俺の意識を侵食しつつ、哄笑するダークロードが鋭く斬り込んできた。
炎の剣が振り下ろされた瞬間、辛うじて間合いを外し、脚を踏み変える。



ダークロード・ハーコン 戦闘力点28 体力点45

精神防御を身に着けていなければ、この戦闘の間、戦闘力点は2点低くなる。



一合撃ち合った瞬間、衝撃とともに彼我の実力差を悟る。
太陽神の庇護を絶たれた今、俺の戦闘力は念撃も含めて22点まで落ち、戦闘比は−6点にまで低下したのだ。
皮一枚で敵が放つ必殺の一撃こそ回避可能だが、敵の牽制で深傷を負いかねない死域だ。
……その死域で。
あろうことか、一撃目が空を切る。
無防備な胴に打ち込まれ、俺の剣は掠りもせずに 6点 の体力点を奪われてしまう……
二の太刀、三の太刀とハーコンの怒涛の斬撃に喰らいついていくが、みるみる手傷は増えていく。
四回戦打ち合って乱数表は1、6、7、4。
それでいてダメージは14対18と、圧倒的に俺の方が大きいのだ。
そして運命の五回戦目、再び痛恨の「1」が出る――
大理石の床に叩きつけられ、もんどりうって二転三転する。
なおも追撃を狙うハーコンに、カウンター気味に会心のクリティカルを2度叩き込む。
本来なら会心の攻めだが、にもかかわらずここに来て 2点 のダメージを受けてしまう。
ダークロードの残り体力は15点、対して俺の体力は残り僅か3点のみ


生きているのが不思議なくらいだった。
無論、ここからでも逆転の目は無くは無い。
そう。
或いは、クリティカルを更に連発し、奇跡の逆転劇があるかもしれない。
だが、そんな都合の良い幸運は有り得ない…………


負ける訳にはいかない。


死ぬ訳にはいかない。



とどめを刺すべくハーコンが剣を振り上げ……俺は、遁走を、選んだ。

(つづく)