ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ137→→→パラグラフ100:くさいは うまい:(死亡・6)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



宮殿に入って空腹に気づく。
物影で食事にするか……
……
…………
「……………………何この生ゴミ巫山戯てるの?」
暫しの沈黙。続けて矢のような1人突っ込み。
バガ・ダルーズの汚水に浸かった荷物が、無事で済む訳は無かったのだ。
食料2食分 は、そりゃもう無残な腐臭が漂う異界の珍味と化していた。
とは言ったものの。
実は本文中には記述も何も無い。
汚水が染み込んでいようが何だろうが食事できるということだ。
厳重に防水対策されていて、油紙とかで真空パックされているとでも言いたいのだろう。
だが。
バガ・ダルーズという場所は、そこにいるだけでバクナー並に臭くなるんだぜ。衣服が。
そんなところで荷物持ってチャプチャプ泳いだりしただろ?
この狼はこんなドロヘドロなんか死んでも食わねェェんだよッ!!舐めてんのか!!
当然のように 体力点は−3点。それで結構!全然構わんッ!!
プレイヤーにはプレイヤーの矜持があるというお話。



空腹をこらえ、紫色の芝生の間に敷かれた砂利の小道を進む。
周囲には珍しい植物が植えられ、噴水が目の眩むような七色の光を放っている。
噴水の向こうに目指す宮殿の円蓋があり、俺は物陰から建物の構造を推し量った。
ルートは二つ。
調理場を通るか、ビズ・ディアール―― ザカーン帝の戦利品の間―― を抜けていくか。
カイの第六感と追跡術のどちらもが、調理場には常に残忍な奴隷監督や兵士が監視していると告げる。
庭の人気が絶えるのを待ってビズ・ディアールの扉まで走る。
扉は中から施錠されていたが、飾り扉の上方に窓があり、鎧戸が開いていた。
壁を蹴り、片手だけで飾り鋲が打たれた扉に体を引き入れる。
戦利品の間の壁には、首の剥製が並んでいた。
ドライ・メインの狩猟大会の戦利品である砂漠の獣に混じって、人間も飾られている。
幾多の残忍な戦闘で斬首された敵の将軍たちのものだ。
ホール先の大理石の廊下には兵士や廷臣が歩きまわっていたが、カイの教えの力を使い、彫像の影に潜み通り抜ける。
奥の階段を登ると東西に廊下が伸び、それぞれが部屋に続いていた。
東の戸には「臼と杵」が、西の扉には「開いた本」が、それぞれ記号化されて彫りこまれている。
成る程。
どちらかが薬草室だと。
簡単じゃねーの。俺は迷わず……


西の扉を開けて踏み込んだ。
……何でかって?
危険を求める狼の性がそうさせるとでも言っておこうか。
勿論、アイテムが手に入る可能性も忘れてはいない。


通過パラグラフ:(170)→137→37→149→ 回復術の効果:+3点   現在の体力点:32点(全快)
(つづく)