ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ254→→→パラグラフ160:貧窮問答歌〜帝宮への道:(死亡・6)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



「な なんだって―――!?」
俺は自分の耳を疑った(キバヤシっ面で)。
そんな筈は無い。
このルートで合っている筈なのだ。
エデ を売ってもらわないことには、俺は明日の命すら覚束ない……!!
マダム・ハッパは宥めるように、静かに語りだす。
エデ は今なかなか入手できず、しかも高価な薬草です。小さな袋一杯のエデ を買うのに、このお店と私の財産全てを売らなければならない程です」
「ああ…そうですか…」
「バラキーシュでこの薬草を手に入れられるのはザカーン陛下ただ1人でしょう。しか僅かなエデ は、宮殿で厳重に保管されているのです」
「…………」
点と線が繋がり始めているのを感じる。
バサゴニア帝国では、エデ は厳重に保管された帝宮にしかない。
そして、俺は第一部のラストで必ず王宮に乗り込み、ザカーン・キマー帝とダークロード・ハーコンの密談を目撃することになる。
つまり宮殿に向かうことが、俺の取るべき道なのだ。
「リムデスを治せるのはエデ だけです。しかし、他の薬で痛みを数時間和らげることはできます」
マダムはカウンターの後ろに手を伸ばし、体に悪そうな色の液体の入った瓶を3本取りだした。
それぞれにラベルが貼られている。



 ラーヌマ油(体力点+2)金貨3枚 

 ラウンスパーの薬(体力点+4)金貨5枚

 レンダリムの万能薬(体力点+6)金貨7枚


この間来た時は見せてもくれなかった珠玉の薬3本、というか特にレンダリムの万能薬 一択。
なのだが……そうなのだが……
「全部1本ずつかよォーッ!!」
「はい?」
小首を傾げるマダム・ハッパ。
そォォじゃねーんだよォォ!
俺はナップザック一杯に、8本のレンダリムの万能薬を買いたいんだよォォ!!
あんまり悔しいんで原語版もあたってみましたが、やっぱりきっちり3本のみ。
ノォォゥ!!!!



しわん坊さんであるところの節約狼は、貧乏臭くレンダリムの万能薬 1本のみ買いこんだ。
マダム・ハッパが裏口に案内してくれる。
「お気持ちはお察しします。エデを見つけられることを祈っていますわ」
……それは宮殿に忍び込めって意味かよッ!舐めてんのかッ!
内心毒突きつつ、店の裏の路地を歩きだした。
目的はただ一つ。
王宮への侵入と、エデ の奪取だ。

(つづく)