ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

尊大な仕草でシャーナジムが進み出る

【パラグラフ16→→→パラグラフ51:スメルズ・ライク…:(死亡・5)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



石造りの地下室の扉に耳をあてがう。
追っ手の足音からすると、建物に入ってきたようだ。
逃げるか……だがどうやって……?
床に腹這いになり、鉄格子の向こうの暗闇を覗く。
途端、痛烈な悪臭に鼻孔を強かに殴られた。
………おお。
………これはまた随分とスメルフルなフレグランスだ。
戦って道を斬り開く方がまだましというものだ。
涙目で武器を構えることにする。


「この扉を叩き壊せ!」
地下室の扉に二本の斧が喰い入り、見る間に破られていく。
敵が雪崩れ込んでくると同時に飛びだし、左右に虎拳一閃。
斧を持った二人を昏倒せしめる。
仲間を押し退け、猪首のシャーナジムが両手の武器を抜き、進み出てきた。
先手をとり、俺はシャーナジムの三日月刀を手刀で叩き落とす。
牛めいた怒りの雄叫びをあげ、シャーナジムは逆手に握った刃渡りの長いナイフを突き出してきた。



シャーナジムの士官 戦闘力点18 体力点28

いつでも格子戸から逃げだし、戦闘から逃亡できる。


いつでも逃亡って……
その(匂い立つ)格子戸からの逃亡が嫌だから戦ってるんだよ!
幅広剣で敵のナイフと渡り合う。
一撃目から連続で目測を誤った時は冷や汗をかいたが、さすがは戦闘比+7。
その2度の掠っただけで16点のダメージを与え、次で軽々ととどめを指すことができた。
筋肉隆々の死体が倒れ伏し、シャーナジムたちがずるずると後退していく。
どうやら恐れをなしたか……?
囲みを突破しようとした瞬間、兵士の背後に隠れていたマオウクが視界に入った。
罠か!
掲げた腕が振りぬかれ、至近距離から投げ矢が胸に突き刺さる―― !!


求められる乱数表の数字は7以上。
カイの狩猟術で3を加える。
結果は……ぎりぎりで8だ。
野獣並の身体能力をフルに発揮し、慣性を殺して横に跳躍、廊下の壁に肩から着地する。
さて、間一髪だった訳だが……。
「狼を捕らえろ!」
再び兵士たちの背後に隠れたマオウクが部下を嗾ける。
床に伏せた俺に飛びかかってくる兵士たち。
あの悪臭を放つ格子戸が目に入る。



・落とし戸までころがっていくか。51へ。
・マオウクに降伏するか。10へ。


一つだけはっきりしていることがある。
マオウクに降伏するぐらいなら、俺は何だってやってやる。
たとえウェット&メッシーに首まで浸かるとしてもだ……ッッ!

(つづく)