ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ1→→→パラグラフ88:帝都再び:(死亡・5)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



「海を見ておられたのですか、ローン・ウルフ?」
ガレー船の船縁に凭れる俺のもとへ特使が歩み寄ってくる。
曖昧に頷き、これから向かうバサゴニアの帝都バラキーシュで起きる未来に思いを馳せる。
今の俺こそが最強に強まったカイ戦士なのだと俺の野生の勘が告げていた。
何となれば、使い慣れた斧こそ手元に無いが、念撃が効く相手なら戦闘力点25点。
太陽の剣無しでここまで自らを鍛えあげるのは、尋常なことでは無い。
今の俺なら、如何なる罠が待ち構えていようと、鍛えあげたこの腕でねじ伏せ、突破できるだろう。



【アクション・チャート 砂上の影】  ローン・ウルフ 6人目(5度死亡)


能 力 値   .

・戦闘力点23(19点+2+2) ・体力点24(20点+4)

・金貨14枚+36枚=50枚(修道院の蓄えは残り0枚)


カイの教え(階級:セイバント)   .

・擬装術 ・第六感 ・狩猟術 ・追跡術 ・念力移動 ・動物語 ・精神防御 ・念撃 ・武術(斧の戦闘力+2)


装備(武器 2つまで)   .

・幅広剣


特別な品物   .


・水晶の星型のペンダント

・銀の兜(戦闘力+2)

・盾(戦闘力+2)

・鎖帷子(体力+4)

・カルトの火の玉

・ダイアモンド

・瑪瑙のメダル




ナップザック(8個まで)   .

・ラウンスパーの薬2回分(体力点+4)

・特別食料

・特別食料


修道院に置いていくもの   .


・特別なラウンスパーの薬(体力+5)

・濃縮アレサー(一時的に戦闘力+4)

・ラウンスパーの薬(体力+4)

・ラウンスパーの薬(体力+3)

・回復薬(体力+3) ・ガロウブラッシュ(眠り薬)

・パッド入り鎖帷子(体力+2)・ソマースウォード(戦闘力+8) ・バシュナのナイフ



「じきに最も美しい都バラキーシュに到着です」
嬉しげに語る特使の横顔に、翳を落とす死相を見た。





バラキーシュの港に再び降り立つ。
特使の死を確かめる事もせず、俺は動きだした。
シャーナジムの囲みをやすやすと突破し、行く手を遮る騎兵に斬りかかる。



騎兵 戦闘力点21 体力点28


強力な敵を相手に幅広剣を振るい、6点のダメージのみで速やかに葬り去る。
岸壁から転落する死んだ騎兵を尻目にガレー船へと走り、渡し板を引き上げた船員に促されて跳躍する。
汽水に濡れたオールに身軽に着地し、船員の手に捕まって甲板に飛び移る。
さて、マオウクはどう出るだろうか?
「カイ戦士を私に引き渡せ。これはザカーン陛下の命令だ。逆らえば、お前らも一族の命も悉く無いものと思え!」
相も変わらず卑劣な男だ。とことん自分の手を汚したくないらしい。
船員に迷惑は掛けられない。自分から海に飛び込む。
波止場を包囲するシャーナジムを突破し、泥棒街の路地から賞金目当ての男の家に入って二階から飛び降りる。
このあたりは予知夢の賜物だ。
最初のプレイではここの3択で港へ戻り、罠に掛かった訳だが……
エデの薬草 は、恐らく宮殿に向かいつつ、途中の薬屋で入手できるのだろう。
なら、橋へ向かうか、集会場か。
集会場に入っていくと、市民が喪に服し、黒と金の礼服をまとった司祭が祈りを捧げていた。
天井から吊られた故ザカーン帝の肖像画に見守られつつ、やがて終わった葬儀の参列に紛れ、マオウクの包囲を擦り抜ける。
広い通りに出ると、この界隈ではいつもどおりの商売が行われていた。
露天商や行きかう人々はザカーンの死を悼んで黒い腰帯を着けている。
この帯は金貨2枚 で売られていたが、悩んだ末に諦めた。
革袋で出番を待っている50枚の金貨は、貴重なハッパ薬の買いつけのためだけにあるのだ。
無駄遣いはしたくない。
素早く屋台を離れ、小道に紛れ込む。
飲食店や小さな酒場が並ぶそこも雑踏で溢れ、気の抜けた葡萄酒や香辛料の匂いが鼻孔をくすぐる。
ふと、居酒屋の壁に貼られたポスターに目が惹き付けられた。

(つづく)