ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ387→→→パラグラフ355:死線の緋:(死亡・4)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



視界が濁流のように流れ、聴力を奪う風の音に混じってドラッカーの嘲笑が響いた。
避け難い運命―― 斬り啓くのは、ただ乱数表のみ。
0〜4か5〜9か。
どちらが正解かも分からずに指す。
結果は3。果たして――



まわりながら落ちていくうちに目がくらみ、頭から先に落ちるか足から先に落ちるかまるで分からない。
風が頬にあたり、まぶたと口は閉じられない。
君は悲鳴とともに木の枝にぶつかり水中に落ちたが、すぐに浮き上がり、反射的に大きく息を吸う。


着水時の激しい衝撃で、半ば眠っていた全身の知覚が甦る。
重く粘つく水を何度か掻き分けると、苔むした岸に手が掛かった。
瘧のように全身を震わせながら水から上がる。
生きていた。
奇跡的に怪我一つ無く。
運命は狼に微笑みかけたのだ。
だが、試練はまだ終わっていない。
一部始終を見届けたドラッカーと衛兵たちが塔を駆け下り、庭に続く橋を渡ってきたのだ。
右手には樹木が天蓋を織り成す小道があり、前方の並木道は宮殿へ登っていく階段へ向かう。
追跡術を用いて地図を頭に広げ、曲がりくねった小道は植物園へ、階段はザカーンの私室に通じていると知った。
宮殿の奥に追い詰められるよりはと、再びザカーンの植物園に戻っていく。
低い枝ぶりの上で甲高い鳴き声が響き、道は次第にジャングルめいた泥地となった。
腐植土がブーツの足首に絡み付く。
その時、前方の気配を悟って道端の茂みに頭から飛び込む。
緋色の衣を着た者に先導されたドラッカーの一団がやってきた。
彼らはダークロードの下僕たる不死者、ボルダクに率られた捜索隊なのだ。
白骨が剥き出しになった腕を伸ばすボルダクは、指に強力な魔力を乗せ、緩やかな弧を描きつつ周囲一帯を探っていく。
気配と同時に心の動きも隠すが、指先がこちらの茂みを向いた直後、激痛が体を襲った。
耐えられるかどうかは運次第。
カイの擬装術と精神防御で5を加え、乱数表を指す――



またしても「1」が、俺を嘲笑っていた。



ボルダクの雄鶏めいた甲高く不吉な声とともに、ドラッカーたちが下草を刈りつつ近づいてくる。
この距離では逃げ難い。
バシュナのナイフ を抜き、戦いに備えて構える。
今の体力点は16点。
素早くラウンスパーの薬2回分 を飲み干す。
これで24点。できうるかぎりの万全の態勢だ。
その時、突然藪の中から緋衣の影が鉾を突き出してきた。
仰け反ってかわすが、馬乗りにのし掛かったボルダクが、勝ち誇って嘲笑う。
最初からこの奇襲が狙いだったのか!



・ソマースウォード をもっていれば、
・ソマースウォード をもっていなければ、156へ。


こんなときに太陽の剣が、この手に無いとは――
バシュナのナイフ が黒い炎をあげ、奇襲の一撃を辛うじて逸らした。



通過パラグラフ:(387)→205→234→220→391→242→262→212→  回復術の効果:+6点   現在の体力点:22点
(つづく)