ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

昇天

【パラグラフ75→→→パラグラフ97:最弱こそが最も最も最も…:(死亡・5)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



自分の棲家を守るヤスは、攻撃しなければ手を出してこないだろう。
それは分かっている、いるんだが……
眩いばかりの宝石の輝きが、俺の略奪本能を惹起させていた。
さいわい、この長い探索の過程で回復術が効果を発揮し、体は完全に癒されていた。
なら……戦わない理由、無いよナァ!!



ヤス 戦闘力点14 体力点28


とはいえ……
そうして、戦闘シーンになってやはり思いだす。
いつも装備していた太陽の剣が無いという意味を。
またも戦闘比−4。どてらい厳しさだ。
蛇なのに人間の看守より体力あるしね!
蕩けたような瞳でヤスが迫る。
精神防御を身につけていなければこの催眠にかかり、さらに戦闘力点が3点減っていただろう。
催眠にかかった獲物を絞め殺すのがヤスの流儀なのだ。
精神を集中し、くわっと乱数表を睨む。
雑魚相手に時間はかけたくない。
立て続けに4度、蝶のように舞い、蜂のように刺した。
結果は1、1、4、2。互いのダメージを一気に計算し、バトルにけりをつけるッッ!



「あ、れ?」
思わず場違いな声が漏れた。
視界が90度反転している。
俺の……首、へし折られた?
「そうか」
深く深く納得する。
まさに突然死。言うなればサドンデス。
本当に雑魚だったのは、戦闘力点10しかない俺の方だったんだよ……
間抜けな狼の意識も、そこまで、だった。


  蓄積されたダメージ   ダメージ合計
ヤスのダメージ1+1+4+27点(残り体力21点)
俺のダメージ6+6+4+521点(オーバーキル)
敗因は2つ。 今回のキャラが4巻の突発企画から引きずっている最弱キャラだったこと。 なまじ回復術で全回復したために、戦わなくていい戦闘を始めてしまったこと。 本当に呆気なく。 いつものようにゲームブッカーの秘技を駆使して意地汚く生き足掻く猶予さえ無く。 まとめてダメージ計算するなんていう面倒くさがりな手法のせいで、狼は息絶えた……

『ローンウルフ5人目 再起不能(リタイア):死因 強欲の代償→To be continued 』
(つづく)