ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ1→→→パラグラフ142:逃走:(死亡・4)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。
黒く燻るバシュナのナイフ の柄に手が伸びかかる。
伊達に死地を潜ってきた訳じゃない。
最強に強まった俺なら、この程度の敵など蹴散らしうるはず……。
だがそのとき、カイの老師の教えが頭をよぎった。
……『戦ったら負け』
恐らく、この局面では絶対に勝てないようにあらかじめ仕組まれているのだ。
だが、どれだけ追いつめられようと、カイ戦士には最後にたったひとつだけ残っている策がある……。
逃げるんだよォォォ―――――― ッ!!!
カイ・マントを翻し、シャーナジムの囲みを突破する。
「奴を捕らえろ!ただし、生け捕りにするんだ!」
マオウクの叫びが耳にこだまし、俺は遠く波止場のガレー船へと走った。
船員たちは絶望的な状況に気づいていない。
特使が殺されるところも見ていないし、俺の危機にも気づいていないのだ。
そして何より、彼らはマオウクの手の者ではない。
先んじて辿り着けば脱出のチャンスはある!
そのとき、1人の騎兵が進路を塞ぎ、後脚立ちになって蹄を叩きつけてきた。
反射的に抜刀する。
騎兵 戦闘力点21 体力点28
いつでも海に飛び込み戦闘から逃亡できる。142へ。
降伏するか。176へ。
3回戦までに戦いに勝ったら、125へ。
それより多くかかったら、82へ。
戦いに負けたら、161へ。
しまった……思わず舌打ちが漏れる。
太陽の剣を持っていない今、念撃を用いても戦闘比は実に−5だ。
背後からは追いすがるシャーナジムたち。
たった3回戦で殺しきれる相手じゃない……ッッ!!
咄嗟に戦闘を離脱し、一合も交えず岸壁から海面へ飛び込んだ。
息の続く限り潜って泳ぐ。
シャーナジムがあらゆる方向から駆け寄ってきて、波止場を封鎖するのが見えた。
一息ついて再び潜り、向こうの岸につながれた漁民の小舟を目指す。
青く澄みきった南洋の海は透明度が高く、行きかう商船が残した錨が海底で光っているのが見える。
錨には、無数の管が突き出したゲル状の物体が絡みつき、ゆらゆらと蠢いていた。
何の前触れもなく、その物体が動きだす。
器官から恐るべき勢いで水を吐きだし、近づいてくる。
バサゴニアの海の掃除屋ブラッドラグだ。
俺の体に喰らいつこうとしている!!
(つづく)