ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

山賊のリーダーが盾の壁を突破してきた

【パラグラフ345→→→パラグラフ299:マッケンの強襲:(死亡・4)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



蹄の痕は、半ば苔に覆われた鉱山のトンネルまで続いていた。
今は崩れてしまった梁や支柱が林立し、赤錆びた色の小川が地面を流れていた。
蹄はここで途切れ、代わりに二組の足跡がまっすぐ暗がりへ消えていく。
馬の姿が無いのが気になった。
訓練された軍馬が逃げだすとは考えにくい。
誰かが―― より正確には山賊が―― 馬を連れ去ったのだ。
素早く判断し、3名を見張りに立て、残り4人で廃坑に踏み込む。
真っ暗なトンネルには消えたままの松明が均等に並び、それを灯して先へ進んだ。
泥濘んだ足跡は、トンネルの崩落地点まで伸びていた……堆い土砂と天井の隙間を足跡がくぐり抜けていく。
流石に崩落地点の向こうまで行くのは危険だ。
「戻りましょう、ローン・ウルフ」
「ああ」
松明を捨てて引き返し、俺は隊員を集合させた。
おそらく偵察兵は駄目だろう。
この7人を率いて進む他ない……その時だった。



突如、血も凍るような角笛の音が鳴り響き、赤い鎧の山賊が森の奥から次々に襲ってきた。
敵の数は少なくともこちらの3倍、30人近い。
圧倒的不利に加え、逃げ場もない。
「鉱山まで戻れ!トンネル入口に密集隊形!!」
叫んで斜面を駆け上がる。
横一列に並んだ隊員は盾で鉱山の入口に壁を作り、空から降り注ぐ矢を弾いた。
弓を捨てた山賊は長い曲刃の剣にも持ち替え、どっとルアノン森から溢れ出す。
躓いて倒れた山賊のひとりを、連中のリーダーは容赦なく戦斧の背で殴りつけ、前進を命じた。
雄叫びをあげ、最初の山賊たちが体ごと突進してくる。
敵の剣を防ぎつつ、隊員らは陣形を崩すことなく盾の隙間から反撃を開始した。
山賊の第一波は反撃を受けて退却し、12人の死体が転がった。隊員は全員が無傷。
だが、返り血を拭う間もなく、山賊のリーダーが戦斧を振りまわして突進してきた。
力任せに突撃してくるリーダーは、鎖帷子を着た醜怪な野獣そのものだ。
盾の壁を突破され、俺は山賊のリーダーと刃を交える。



山賊のリーダー 戦闘力点19 体力点29


(つづく)