ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

死の牢獄船団

【パラグラフ152→→→100:混沌の艦隊:(死亡・3)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



船足は快調で、パックス港が水平線上の点となり、みるみる遠ざかっていく。
三日三晩強い風をうけ、ドゥレナー艦隊はすみやかに進撃をつづけた。
だが、奇妙な空気が蔓延しだす――
(ここで乱数表をさす。結果は1)
―― 船旅が進むにつれ、兵士達の士気がじわじわと下がりだした。指揮官達の誰もそれを止めることができないでいた。
アクシム卿はほとんど自棄になって俺に。
「絶えずついて回るこの不快な感覚はダークロードの仕業だ。奴らには人心を操る力がある。このまま呪縛が続けば、ソマーランドに着いても我々は勝つことができない」
彼の願いに応えるかのように、翌日の夜明け頃、ダークロードの呪縛は解けた。
が、呪縛ははるかに致命的な脅威に変わったのだ。



カーランディン諸島の辺りから漂いだした霧が静かな海を覆い隠した。
折れた背骨のような島陰から黒い影が近づき、やがて、それは船団の形をとる。
すぐさまカルフェン提督の戦闘命令が響き渡り、ドゥレナー艦隊が臨戦態勢に入った。
そして濃い霧を突き破り、漆黒の船団が眼前に現れる。
「な、なんということだ……」
カルフェン提督、アクシム卿、そしてすべての兵士が、敵の恐るべき威容に絶句する。
間近に迫るのは、爛れきった腐肉を襤褸切れのように纏う水死した船乗りたちが操る大艦隊だった。
死の牢獄船団――
伝説の中でのみ語られてきた恐怖。死を冒涜する邪悪な魔法によって甦った、死者たちの船団だ。
濃霧は晴れたが、ホルム湾の入り江は完全に牢獄船団に封鎖されていた。
醜悪な船首像が聳えた旗艦が、速力を上げ迫ってくる。
巨大な衝角が『ドゥレナー号』の横腹に突き刺さると、提督は最後の命令を下した。
「船を捨てろ!」
あっという間の出来事だった。
旗艦を沈められ、浮き足立ったドゥレナー艦隊の陣形がみるみる包囲され、崩されていく。
このままでは、ホルムガードに辿り着く前に全滅しかねない……
装飾の施された鞘の内で低く唸りを上げるソマースウォード の柄に手をかけ、俺は絶望的な怒りに駆られた。



死の牢獄船団の旗艦の甲板に飛び移るか。30へ。
海へ飛びこみ、他のドゥレナーの船まで泳ぐか。267へ。


(つづく)