ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

敵紹介05ドラッカー 悪が生んだ兵士

【パラグラフ345→→→240:遭難岬の海戦・後編:(死亡・3)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



頭蓋骨を象った鉄兜の奥に、狂気を帯びた目が見えていた。
先程負った2点のダメージも忘れ、真っ向から斧を叩きつける。
ヘルジェダドの溶鉱炉で鍛えられた幅広剣が、ジャークの鮮血がしたたる斧を受けとめ、火花が飛び散った。



ドラッカー 戦闘力点16 体力点24


ドラッカーとジャーク――― このわずか1点の戦闘力の差が、なかなかどうして侮れない。
この1点のおかげで戦闘比は+2に落ち、ダメージ効率が一段階下がるのだ。
こんな時に限ってなかなか有効打を与えられない。苛立ちがつのる。
何合も斬り結び、ドラッカーの首を刎ねた時には、俺もまた無数の軽傷で ダメージ6点 を負っていた。
指揮官を失ってジャークは一気に浮き足だち、そこへケルマン船長と部下の船員達が、一人残らず海へ追い落としていく。
ジャークどもの全滅を知り、ズランビーストとクラーンは遭難岬へと飛び去った。
「有り難う、ローン・ウルフ」船長が俺の手を握る。「君を船に迎えることができて、本当に誇らしく思う」
甲板に湧き起こった拍手と賞賛は、傷の痛みを束の間忘れさせた。



2時間もすると、壊れた箇所の修繕や怪我人の応急手当も終わり、ドゥレナーへ向け船は再び北海を駆ける
もちろん、俺は未来の記憶を忘れてはいなかった。
大挙して襲い来る敵の方がはるかに御しやすい。
この先は、見えない敵、そして猜疑心との戦いになるのだ……と。

(つづく)