ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ
【パラグラフ170→→→319:ビギナーズラック:(死亡・1回)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。
甘く見すぎていた。戦闘力点10というこの弱さ、俺は甘っちょろく考えすぎていたのだ。
戦闘比マイナス7。ここまでの不利な状況はかつてない。
たった体力点7の蟲を相手に、生死をかけたバトルが始まる……
乱数表だけが頼りだった。
心を静め、無心にシャーペンの先を落とす。一撃目は7!
まさにビギナーズラック。冷や汗が背筋を伝う。
だがこの数値で5点と4点、俺も敵もほぼ互角のダメージなのだ。
敵の残り体力はあと2点。それを削りきるまでにどれだけこちらが傷を負うか。そこが勝負だ。
ニ撃目は…………8!
すかさず表をチェック、敵は死んだが………こちらのダメージは3点!
合計で7点のダメージを喰らい、俺の体力点は19点 。あっけなく20点を割り込んだ。
つまり、そういうことだ。
戦闘力点10点 は死にぞこないの点数。ただの一戦が、命取りになるのだ。
まさに呪縛。
ここまでシビアになるとは、ほとんど呪いに近い。
暗澹たる思いが俺の心を覆っていた。
バロークロウラーはこの1巻でさえ中程度の敵だ。ダークロード軍ははるかに強い。
金貨20枚 とナイフ の入った革ベルトを手に洞窟から這いだした俺の顔には、疲労と無力感が滲んでいた……
(つづく)