ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

後の盟友バネドンとの出会い

【パラグラフ333→→→350:ラウマスの激闘・後編:(死亡・1)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



迷うことはなかった。
足元の石を拾い、狙ってジャークに投げつける。乱数表は……1だ。ツイてない!!
首をすくめて石をかわしたジャークが魔法使いに飛びかかっていく。
間髪いれず、敵のジャンプの軌道を読んで俺は斧を投げつけた。今度こそ斧が食いこみ、ジャークの体が宙を吹っ飛ぶ。



ジャーク 戦力点9 体力点9
奇襲が成功したので、この戦闘に限り戦闘力点が5増える。


戦闘は一挙動で片づいた。
走ってジャークの上に飛び乗り、斧を引き抜き、滑らかに首を打ち落とす。
それでも絶命の間際、太腿を刺されて失ったダメージ2点が、変わらぬ俺の未熟さを痛感させた。
「オゴット! オゴット!」
予想外の敵に慌てたのだろう。リーダー格のジャークが奴らの言語で何か叫び、ジャークの手勢が一斉に森の中へ退いていく。
古代の寺院に静寂が訪れた。
斧の血糊を拭きとり、魔法使いに目をやる。
額の汗をぬぐった魔法使いは、顔といわず手といわず負わされた手傷を気にもせず、親愛の情を浮かべて手を差し伸べてきた。
「ありがとう、カイ戦士。おかげで助かりました。私はバネドンと言います」
「ローン・ウルフだ。見事な戦いぶりだったよ」
俺とバネドンは深く握手を交わした。

(つづく)