ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ
【パラグラフ144→→→91:薬草屋】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。
三十六計逃げるにしかず。
すみやかに肉切り包丁の間合いから離れ、小さな家が密集する狭い路地をすすむ。
と、ここで、ようやく……目当ての物が見つかった。小さな看板だ。
「コラニス 賢人であり薬草屋」
これだよこれ、薬草屋。分かってるじゃあないの。
自分で看板に「賢人」とか書いちゃうあたりちょっといかがわしいが、この先気にしない。72枚の金貨がうなる日がついに来たのだ。
店の中は小さく、薄暗く、おまけに黴臭かった。様々な本や瓶が所狭しと棚に並んでいる。
禿げた男(店主らしい)が出てきて俺の用件を聞き、陳列棚からビンを数本とりだした。
申し分ない薬草屋っぽさだ。いい感じだ。
……ただ一つ、選択肢に「第六感を身につけていれば」の項目さえ、なければ。
つまり、この薬草屋には何かあるってことだ。
第六感を身につけていない俺のとれる行動は、商品を見ていくか、外に出ることだけだ。
体力点 1 点 の俺。
目の前には、喉から手が出るほどほしい薬の山。そして。
俺は、11番目のカイの教えを使うことを決意した。
禁断の技を。
(つづく)