ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

ここからは魅力的なアイテムを紹介

【パラグラフ200→→→262:傲慢のツケ】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



選択肢には「擬装術を使ってひそかに積荷に隠れる」選択肢もあったが、あえて俺は馬車後部の階段に張りついた。
商人をだますことに、いわれない引け目を感じたのだ。
中の人間も気づいたらしく、用心棒が扉を開け放ち、階段の上から俺をにらみつけてきた。
「なんだテメーは、あぁ?」
「俺はカイ戦士だ。国王に至急の用がある。すまないが、馬車に乗せて欲しい」



……普段の俺ならそう名乗っただろう。
だが、その時俺がとったのは金貨をさしだすことだった。カイ戦士だからと特別扱いされたくなかったのだ。
一度扉が閉まると中で相談する声がし、やがて、裕福そうな商人がみずから顔を出した。
「旅の方、乗りたいのなら金貨10枚 を出すことですな。無理ならお下りなさい」
「……そうか」
金貨10枚 とは、ずいぶん吹っかけたものだと思う。
だが、それで普通に扱ってもらえるなら、それもいい。
黙って革袋をまさぐり、金貨をさしだす。
金をしまいこむ商人の顔がいやしく歪むのを見たように思った。
次の瞬間、商人がパチンと指をならすなり、用心棒が上段から三日月刀で斬りつけてきたのだ。

(つづく)