真世の王（ISBN:475750702X）

（妹尾ゆふ子、エニックス）
かつて竜が思うままに飛翔するのみだった宙に、〈銀の声持つ人〉があらわれ、新たな世界を構築した。
しかし、期待を裏切り続けた人の営みに絶望し、かれらがこの世界を去って、既に久しい。
力あるその言葉で語られた世界のあるべき姿と、人の営みの作った世界の姿との差が、歪みとなって魔物を生む。
世界の滅びは間近に迫っていた。
この世界を救おうと戻ってきた〈銀の声持つ人〉――イーファルに見出され、そのわざのすべてを与えられた竜使の孫ジェン。
世界が滅びた後、それを再生する者――〈真世の王〉の候補者として生み出された、漆黒領王家最後の姫エスタシア。
エスタシアの護衛でありジェンの幼馴染でもある〈王の剣士〉ウルバン。
世界を滅びから救うため、あるいは滅びを止められなかったときのため、それぞれの戦場で戦う三人。
滅びの運命を変えることはできるのか―――。