1-02-01 本文より ・・・そのときアリオッチならぬ者の声がエルリックの耳に響いた。剣それ自体の声のように思われた。 「エルリック・・・アリオッチには血と魂を捧げねばならぬ。血と魂を」 「だめだ。これはわたしの友人たちだし、オラブにはストームブリンガーは効かぬ。アリオッチは、血も魂もなしに来たらねばならぬ」 「血と魂のみが確実にかれを呼び出せる!」声はいっそうはっきりと言った。嘲るようなその声は、背後からきこえるかに思われた。かれはふりかえったが、何もいなかった。 (本文p239)