本文より

・・・そのときアリオッチならぬ者の声がエルリックの耳に響いた。剣それ自体の声のように思われた。
エルリック・・・アリオッチには血と魂を捧げねばならぬ。血と魂を」
「だめだ。これはわたしの友人たちだし、オラブにはストームブリンガーは効かぬ。アリオッチは、血も魂もなしに来たらねばならぬ」
「血と魂のみが確実にかれを呼び出せる!」声はいっそうはっきりと言った。嘲るようなその声は、背後からきこえるかに思われた。かれはふりかえったが、何もいなかった。
(本文p239)